「ひとの心」
朝のテレビ小説「笑ろてんか」を見ている。「笑うと福が来る」という内容のようだ。この番組の一シーンだが、おもしろい。
関東大震災後に巡り合った、元芸者の母と実業家に成長した子。子には小さい頃の、母へのわだかまりがあり、それがなかなか除けない。除くためのきっかけに「へその緒」が今日、登場した。震災で倒れかけた家に入り込み、わざわざ取って来たと、そばにいた人が説明する。さて次回には心が通じ合うのか。
先日近くの人が集まるサロンで、90才を超えたお年寄りが「あなたのお宅には綿の種を取り出す装置があった。それをもらって私は助けられた」と。60年を超える昔のことのようだ。「そんなことがあったんですか。綿の種を取り出す装置--?ふーん」と。すると今度は「こんな事もあったんよ」と。聞いていると「あなたのお宅のTさんと近所の---」とどうも耳に聞こえの良くないと思える内容を話される。きっと無意識だろう。
前の例と後の例とどちらも、どこかバランスがまだ悪いと、話し手は感じている。バランスを良くするには、へその緒や聞こえが良くない話材が必要だった。「ひとの心」の微妙をこのように捉えると、おもしろいと納得する。
自分の行動の場合には、無意識ではなく、バランスの悪さを感じ、そしてその後の発言を制御できるようになりたいものだ。