信州生坂村「山紫水明 食と文化癒しの郷!」

山清路、大城・京ヶ倉等の自然。赤地蔵、百体観音等の伝統。おやき、おにかけ等の食文化を持つ生坂村!

全国治水砂防協会理事・顧問会議及び現地視察

2018年10月11日 | 私の活動報告
 11日(木)は雨が降ったり止んだりで、昼間でも肌寒く感じ、上着を手放せない一日でした。
 午前10時30分に福島駅に集合するために、明科駅6時33分発の始発で長野駅、大宮駅経由で向かいました。全国治水砂防協会の監事に就任して、今回初めて理事・顧問の皆さんとの現地視察に参加させていただきました。


 全国治水砂防協会綿貫会長さん、岡本理事長さんはじめ参加予定の方が定刻に集合され、栗原砂防部長さん、東北地方整備局 高村河川部長さん、小浪福島河川国道事務所長さんはじめ職員の皆さんが説明等のためにご同行くださり、最初に平成10年9月16日台風5号により、荒川の日之倉橋上流右岸の堤防が午前9時頃に破堤し、堤内地に濁流が氾濫し、その対策として、緊急復旧工事に取り掛かり、翌日の17日午前2時に「捨石」による堤防締切が完了し、9日後に大型ブロック設置、根固ブロック投入等で緊急復旧が全て完了した破堤箇所と防水林などの現場を視察しました。






 次に、大正9年度から工事に着手し、大正14年度に完成しました「地蔵原堰堤」に行きました。完成後、主堰堤下流に副堰堤・垂直壁・護床工・護岸工・渡河施設を整備して現在の姿になり、堤長:L=112m、堤高:H=8.7m、河床勾配:1/33、計画流量:Q=1,100㎥/sでして、平成20年3月には、登録有形文化財に登録されました。






 次は、荒川大暗渠砂防堰堤に行き説明を伺いました。この堰堤は、全国でも例が少ない透過型の大暗渠砂防堰堤で、半円型の暗渠を9箇所設けてあり、平水時には自然状態での河道の連続性が保たれ、渓流を遮断することがないため、水生生物など自然環境にも優しく、上部はトレッキングができるようにもなっているとのことでした。
平成13年に着手し、平成18年に完成し、堤長:L=252m、堤高:H=9m、大暗渠9箇所、河床勾配:1/50、計画流量:Q=1,100㎥/sでした。






 次の東鵜川第1砂防堰堤は、昭和13年東鵜川で発生した土石流対策として地蔵原堰堤第1堰堤工事が進められ、昭和26年1月に完成しました。この主堰堤は、第1、第2副堰堤の構造で三段の大きな落差が特徴です。堰堤左岸から上流を散策できるコースが整備され、足湯施設や川遊びができる流路や渡河施設があります。堤長:L=56m、堤高:H=7.5m、主堰堤天端幅:2.0m、立積1,112㎥、主堰堤構造:粗石コンクリート表法割石積で、平成21年7月に登録有形文化財に登録されました。






 最後は、荒川せせらぎロード「ゆ~ろ」は、荒川流路工の管理用通路・散策路として、平成20年度より整備を行い、平成23年度に完成しました。完成後は東日本大震災の復興を祈念した「土湯がんばろうプロジェクト」など開催され、普段は観光客や一般の方々の散策に利用されているとのことでした。






 午後3時30分からは理事・顧問会議が開催され、綿貫会長さんが、今年は西日本豪雨災害、北海道胆振東部地震などで、土砂災害が3,100件以上、161名の死者などの被害が発生し、極めて非常事態であり、8月上旬には石井国土交通大臣に緊急提言をし、11月20日の全国治水砂防促進大会でも、会員の市町村長さん達とともに総力を挙げて、砂防事業の重要性を訴えていきたいなどとご挨拶をされました。




 地域の砂防の実情についてとして、南会津町の大宅町長さんから、平成23年新潟・福島豪雨と平成27年関東・東北豪雨による土石流・土砂崩落・道路の決壊・河川の氾濫等の被害状況と砂防堰堤の完了状況について説明されました。
 次に猪苗代町の前後町長さんから、平成元年の台風13号による大倉川の土砂流出・堆積状況等の被害状況と渓流保全工・流路工等の完了状況について説明されました。
 次に三島町の矢澤町長さんから、平成8年の融雪出水の土砂流出・荒廃状況、平成23年の新潟・福島豪雨の斜面崩壊等の被害状況と砂防堰堤工・法面工等の完了状況について説明されました。






 続いて栗原砂防部長さんから「砂防行政に関する最近の話題」と題して、全国の土砂災害発生状況として、年平均で約1,100件、昨年は約1,500件に対し、今年は3,137件と異常に多発していること、平成30年7月豪雨で避難しなかった主な理由として「自宅にいるのが安全と判断」「近隣住民が避難していなかった」「避難所へ行くのが危険と判断」となっており、今後アンケート結果を検証して避難していただく方策を検討していくこと、当豪雨の砂防堰堤の効果・被災事例として石積砂防堰堤の補強・改築等の対策を検討していること、平成30年北海道胆振東部地震による土砂災害の概要、河道閉塞箇所の内容、フランスから入手した光学衛星画像の土砂崩落状況から直轄砂防災害関連緊急事業等の対応をしていること、激甚な災害を踏まえ、遊砂地等の整備・ライフラインや重要交通網の重点的な保全などを強力に推進する必要性やイエロー・レッドゾーンを分かる様に明示する研究等の土砂災害対策など多岐にわたって詳しく説明をしていただきました。


 次に「土砂災害防止施設の強力な整備推進」「大規模な土砂災害が発生した地域等における直轄事業の実施」「土砂災害対策の一層の強化」「警戒避難体制の整備と防災・減災活動の充実」「体制及び組織・人材育成の強化」等の全国治水砂防促進大会提言(案)を承認し、最後は意見交換をして閉会しました。


▽ 朝の写真は大日向上空からの風景です。



 生坂村では、保育園で親子体験保育・身体測定(以)、小学校で生活科遠足(2年)・砂防ダム見学(5年)・クラブ、中学校で人権教育月間、なのはなで癒しの空間(フェイスマッサージ)、児童館でスポっちゃお、生坂おとこ塾(長寿会グランドゴルフ大会)、松本山雅との連携事業打合せ会議などが行われました。