信州生坂村「山紫水明 食と文化癒しの郷!」

山清路、大城・京ヶ倉等の自然。赤地蔵、百体観音等の伝統。おやき、おにかけ等の食文化を持つ生坂村!

議会先進地視察研修同行二日目(鹿追町)&上生坂上空からの風景

2023年07月04日 | 私の活動報告

 4日(火)は晴れて強い日差しが降り注ぎ気温が上昇し、厳しい暑さになりました。

 議会先進地視察研修の二日目は、午前9時前に鹿追町環境保全センターに行き、鹿追町の喜井町長より、町の紹介と当センターの概要などの歓迎の言葉をいただきました。

 当村からは太田議長から、お土産のかあさん家のセットをお渡しした後、視察対応の御礼の挨拶をしました。

 私からも町長はじめ担当職員の皆さんの視察対応の御礼と生坂村の概要を説明するなどの挨拶をさせていただきました。

 その後、担当の農業振興課 橋本課長補佐から、このバイオガスプラントは家畜ふん尿や生ゴミといった再生可能エネルギーの一つであるバイオマスを嫌気性の微生物が分解することで発生するバイオガスを製造・収集する施設の説明を詳細にしていただきました。

 バイオガスはメタン60%、二酸化炭素40%と水分、わずかな硫化水素を含んでいて、バイオガスは燃料として利用し、電気や温水、蒸気などの熱エネルギーを施設内で使用する他に、余剰分の電力は売電していました。

 2基目の瓜幕バイオガスプラントは28億円ほど掛けて建設され、近くに陸上自衛隊の鹿追駐屯地があった関係で、防衛省から補助金をいただいて建設されたとのことで、補助率の良い事業を活用されているなと感心しました。

 100kWと190kWのコージェネ発電機2基により発電、電気はプラント内で利用する他、余った電力は売電していました。FITで売電して20年間は1kwh 39円の固定価格ですので、当施設の維持管理費は、売電収入とふん尿処理料等で賄えているとのことでした。



 メタン発酵後の消化液は良質な有機質肥料として町内の畑や牧草地に散布されていました。質の良い農産物が収穫できるということで、組合員の利用の他、道の駅でも販売され、利用者が多いとのことでした。


 バイオガスは精製圧縮することで、メタンガス用の燃焼機器が使用可能になり、鹿追町では温室ハウス、バイオマス自動車、一般ガス器具での使用を通して調査・研究を行っていまして、今後用途が大きく広がりをみせるものと期待しておりました。


 水素サプライチェーン実証事業として、バイオガスに含まれるメタンから水素を製造し、貯蔵、輸送、供給までを含めた実証事業に協力していましたが、運営費が掛かり、利用がまだ少ないことから採算を望むのは難しいとのことでした。

 ガス発電機のコージェネレーション及びガス温水ボイラーから得られた熱エネルギーを活用して、冬期間のマンゴーの栽培やチョウザメの養殖を実施していました。収穫量が増えてきて、数年後には採算性が見込めるとのことでした。

 鹿追町はバイオガスプラントを核とした地域資源循環型のまちづくりを推進しており、SDGs(持続可能な開発目標)や環境省が提唱する「地域循環共生圏」の理念を踏まえながら、先進的に環境に配慮したまちづくりを進めていました。

 次に、鹿追町の役場に伺い、企画課 草野課長と林係長から、鹿追町の概要と自営線ネットワーク事業について説明していただきました。

 鹿追町は、2021年(令和3年)第1回鹿追町議会定例会において、十勝で初めて、2050年までにカーボンニュートラルを実現するべく、「バイオガスプラントを核とした鹿追型ゼロカーボンシティ」に挑戦する旨の宣言を行っています。

 しかおい自営線ネットワーク(自営線マイクログリット)は、再エネの最大導入で最大活用を目的とした熱と電気のネットワークとして、太陽光発電設備(440kW)の設置による町内の未利用遊休地(旧墓地)を有効活用し、独自の配電線(自営線)の設置による公共施設群(9施設)の電力供給ネットワークを構築していました。

 太陽光発電の余剰電力は蓄電池に蓄えられるが、更に余剰が発生する場合には、高効率地中熱ヒートポンプを稼働させ、鹿追町トリムセンターや温水プールの熱源として活用していました。

 本事業は、総事業費763,519千円に対して、環境省補助金及び過疎債を除いた持ち出し額は113,508千円であり、年間のランニングコスト削減総額10,486千円により、約10.8年で投資回収ができる見込みとのことでした。

 この自営線ネットワーク事業は、CO2排出削減の環境性の向上だけではなく、蓄電池によるBCP機能の防災性、光熱費の削減による経済性の向上を同時に実現したものでした。

 その他にも、令和4年度10月からは「省エネ家電買換え促進補助金(最大4万円)」、「脱炭素自動車(FCV・EV・PHV)導入普及促進補助金(最大100万円)」の新たな補助金を創設し、令和5年度7月からは「鹿追町重点対策加速化補助金」として、太陽光発電、定置式蓄電池、高効率給湯器、住宅断熱改修などの購入補助金が始まるとのことでした。

 これらは、脱炭素社会における事業として普及展開していくもので、多様なエネルギーの循環とレジリエンス強化と課題解決などにつながり「環境のまち しかおい」として、今後も持続可能な社会の実現に貢献する取組であると感銘いたしました。

 鹿追町の喜井町長はじめ職員の皆さんには、我々の視察に対して親切にご対応くださり、詳細に説明していただきまして感謝申し上げます。皆さんのご健勝にて益々のご活躍と鹿追町のご発展を心からご祈念申し上げます。

▽ 毎朝恒例の写真は、先週天気が良かった朝に、青空が広がった上生坂上空から撮影した風景写真をアップしました。

上生坂上空からの風景

 その他生坂村では、小学校でプール(2,5,6年)、児童館でおはなしひろば、農泊推進対策事業打合せ会議、肺がん検診(CT)、1班の皆さんの元気塾などが行われました。



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