熊澤良尊の将棋駒三昧

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磨きの話

2021-03-07 06:46:21 | 文章

3月7日(日)、曇り。

昨夜、ある方から「駒の磨き」についてお尋ねをいただきました。
コメントでご返事しましたが、ここにも要点について述べておきます。

 お尋ねの件、駒づくりの工程はいろいろありますが、彫りや盛上げは一回で仕上       げますが、やり直したり、何回も繰り返すと、スカット感がなくなって良い仕上がりにはなりません。
 一方、「磨き」は彫る前、漆を入れたあと、彫り埋め状態に仕上げたあと、その後、盛り上げをする前には、念入りに何回も繰り返えします。
 そのように、工程に応じて何回も磨きを重ねるのですが、何回とか回数をカウントしているわけではなく、状態を見て判断しているので、10回以上、場合によっては20回ぐらいはやっていると思います。

 当然、彫り駒と盛り上げ駒とでは、全く、回数と程度変わります。彫り駒の場合は、盛り上げ駒に比べるとズーっと少ないです。

   木地は生ものですから、行程中はもとより制作後も、日にちとともに状態が変化し、微妙に暴れたりします。駒になって何年経っても形は変化します。
 ましてや試作中の駒は、昨日、表面を平らにしても、数日、一週間後、一月後には微妙な変形があるわけです。何回も繰り返し磨くのは、それをできるだけ補正したいからです。

本日は、磨きの話でした。

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