熊澤良尊の将棋駒三昧

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漆の季節と神楽太鼓

2021-03-10 17:58:33 | 文章

3月10日(水)、晴れ。

今日は16℃超えの暖かさ。
そろそろ漆の季節、到来。
日没も18時。ひところより一時間ほど遅くなりました。

その陽気につられて、久方ぶりに「神楽太鼓、支持台」。
痛んだ全体に、捨て塗りしていた漆がようやく乾いたところで、ひと研磨。
研磨といっても、未だ下地均しの段階ですが、ボツボツと再開することに。
その映像です。

太鼓の最上部は、金色の「火炎」。その下、中央にあるのは金色の「宝珠」。中央の大きな丸い枠は、7~80センチ。この部分と土台部分は、黒漆に朱色の縁に加飾されています。

この神楽太鼓は、ある「皇大神宮」のものです。
いつから使われているかなどは聞いていませんが、太鼓を含めかなり痛んでいまして、100年近く使われていたのかもしれません。

太鼓は、胴回りが54センチ、厚みは24センチほど。
張られた革も胴の部分も完全に痛んでいて、太鼓はそっくり取り換えることになっています。その太鼓を取り外しての修理です。

漆塗りは室内ですが、研磨は黒い漆の粉が出るので戸外仕事に持ち出しての作業。
私が考えている修理の工程は、
①、傷などで凹んでいるキズは、コクソと錆漆で埋め直す。
②、細かいキズは全体を黒漆で塗ってから研磨して、下地を調える。
   (これは何度も繰り返して、平滑な状態にする)
③、全体の下地調整後は、全体に黒漆を塗って仕上げる。
④、黒漆を完全に乾かした後で、朱漆の部分を塗る。
   (黒と朱漆の境界線は、朱漆でキッカリと)
⑤、「火炎」部分に透き漆を塗り、半乾きの時、金箔もしくは金粉を掛ける。
⑥、金が完全に乾いたところで、その上から透き漆で押さえる。
⑦、取り外していた枠外回りの「薄い金具板」を、鋲で取り付ける。
「枠」の工程は以上で、新しい太鼓を取り付けて完成となる。

以上の経験は初めてですが、只今は、上記工程の①~②をはじめたばかり。
順調に進めば、2ヵ月ほどで終わる見込みではあります。

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