7月31日(水)、晴。
本日の映像は、2組の中将棋駒。
水無瀬兼成書に倣った文字で仕上げた「水無瀬形」。
彫り埋め駒と、盛り上げ駒の2種類。
木地は、いずれも堅牢で堅く持ち重りがする薩摩ツゲの根杢。
裏の文字は、表裏が明瞭にわかるよう朱色漆で作っています。
1、盛上げ仕上げ、中将棋駒。
これには、余り歩1枚を加えた93枚がぴったり入る平箱のほかに、江戸時代家紋蒔絵の駒箱が付きます。
2、彫埋め仕上げ、中将棋駒。
余り歩1枚を加えた93枚。
7月30日(火)、晴れ午後曇り。
パリのオリムピックたけなわ。
日本勢の活躍を見ていて思ったことがあります。
それは相手と競い合う競技でなく、一人一人が自分のベストを出すことで、その結果、メダルが決まる「床、鉄棒など体操競技」、それに「スケートボード・ストリート」。そのすばらしい演技についてです。
リズムがあるのですね。それもわざとらしい作られたリズムでなく、自然な流れの中でのリズム。無心のリズムです。
いちいち演技の段階で考えるのではなく、身体に覚え込ませた無心のリズム。それが本番の試技で出せるかです。
そのために何百回、何千回と練習を重ねるのでしょうが、その練習の積み重ねで身体がリズムを覚え、それが本番で無意識に出せるかどうかでメダルの色が決まるのだと思います。
一方、駒づくりでもリズムは大切です。
リズムが良ければ、漆で書く駒の文字も良いものが出来るわけで、その点、体操も駒づくりも、なにか似かよったところがあることを感じました。
今日も、そのリズムを楽しみたいと思います。
7月29日(月)、深夜。
先ほどまで、NHK杯録画の佐藤西尾戦とパリ柔道阿部一二三の勝ち上がりを交互に見ていました。
佐藤が勝ち、一二三に笑顔、ウタが泣きました。
二人を見届けて、もう一度寝ることにします。
・
・
寝ようと思って、何気なくチャンネルを変えると、ワーッとペナルテイキックの声。思わず起きてしまいました。
同点ゴール、そして逆転ゴール。
中々寝られませんね。
でも、明日がありますので、テレビは消すことにします。
7月29日(日)、晴。
相変わらずの暑さです。
従って、内仕事。昨日とは別の内仕事でした。
まもなく7月も終わりに近づき、明日月曜日は関東方面からのお客様。7月では、5組7人目のお客さま。暑いところを恐縮です。
当日は、怠りなく準備しないとと思って、電話で用件とか希望を確認しましたところ、「水無瀬関係の駒(古水無瀬や兼成卿書)」「空蝉」「巻菱湖」、それに「谷川浩司書」を見たいとのことでした。
「谷川書」は、谷川先生の許諾が無いとお渡しすることはいたしません(「木村一基書」の駒も同様です)が、ご覧いただくのは大いに結構ですので、明日は用意しておくことにいたします。
7月28日(日)、晴。
梅雨明け10日と言いますが、晴れていても、雲は多いです。
気温は36℃。
毎日のことながら、朝、お天気具合と暑さ加減を見ながら、何をするかはその時に決めていて、今日もやっぱり内仕事、昨日の続き「峰書」の盛上げをすることにしました。
漆ですか。この時期、漆には最適の頃合いで、結果はこの次、出来上がっての御覧じろと致します。
今日も、中味の薄い話でした。
本「駒と歩む」について、予約受付を開始して、半年以上が経過しますが、時折りお問い合わせがありますので、再び「本」のことをアップしておきます。
ボリュームは270ページの本格的なハード表紙。カラー写真も多用して200枚以上。本の大きさは、やや大きくしてのB5版。厚みは2cmほどのボリュウム。読む本と言うより「観る本」を目指しました。価格は、1冊4500円。別途送料500円。
複数冊のご注文は大歓迎。同時発送の2冊目以降は、値引きして1冊4000円。(2冊で9000円。3冊で13000円。以下省略)
現在、まだいくらかの在庫がございますので、ご注文お待ちしています。ご注文は、郵便での「現金書留」でお願いします。
お名前、送り先住所とともに、用件のメモを付けておいてください。
ご注文いただいた「本」には、内表紙に自筆にて「揮毫捺印」して、お届けします。
領収書が必要の場合は、その旨をご記入ください。
第36回将棋ペンクラブ大賞特別賞受賞のこと
このほど、将棋ペンクラブ大賞特別賞受賞の報
をいただいた。受賞理由は「駒と歩む」刊行と永
年の将棋駒研究とあり、大変うれしく光栄なこと
と思っている。
将棋は小学校入学前に覚え、深く楽しむように
なったのは、社会人となって会社の先輩と同好会
を立ち上げて南口繁一先生を迎えてから。
そんなあるとき、漆の文字がこんもりした宝石
のような美しい「盛上げ駒」に出会って、俄然、
欲しくなった。当時は駒づくり名人とされた宮松
影水さんがいて、頼もうと思っていたところ突然
亡くなってしまった。それでやむなく、自分で作
ることにしたのが30歳少し前であった。
試行錯誤を経て、初めての駒(盛上げ駒)出来
上がったのは半年後。すぐさま南口先生に、これ
で教えてもらおうと持参したところ「良くできて
いる。使うのはやめて今春予定している中原名人
と加藤一八段との記念対局で使おう。それまでは
大切にしまっておくように」と。駒には「無双」
の銘まで頂戴した。
駒づくりにのめり込んだのは、そのような幸運
があったからであるが、やがて将棋駒に関する歴
史や古いことにも興味を抱くようになり、調査探
索を始めたところ、思わぬ発見に出くわしたりで、
それがいくつか続いた。
中でも、水無瀬神宮(水無瀬家)での調査で、
400年前に作られた「水無瀬駒」と、その制作
と需要の記録「将棋馬(駒)日記」との出会いは
大きな出来事で、その後の生涯の指針となった。
今回の「駒と歩む」は、それら調査研究成果と、
マスコミが取り上げてくれた関連記事を、80歳
盤寿を区切りにして1冊にまとめたものである。
内容は第1章・水無瀬駒。第2章・水無瀬駒を
探る。第3章・近代将棋「駒に生きる」。第4章・
発見された水無瀬駒。第5章・良尊風景。第6章・
図録で見る熊澤コレクション。第7章・将棋駒論
考。第8章・将棋駒日記。第9章・大局将棋駒の
復元までの総数270ページ。大判のカラー写真
は200枚以上を収録して、どのページを開いて
も写真や図表を配して「観る本」を目指した。
出来上がったのは半年後の81歳盤寿真近の頃。
書店を通さない自費出版とした。
価格は1冊4500円(別途送料500円)。
どうか、とくとご覧いただきたい。
以上ーーー
昨日、このブログで触れた「文字の研ぎ出し」の映像。
写真に撮っていましたので、アップしておきます。
研ぎ出し途中、その1。
左が作業前。右が研ぎ出しさなかの状態。
その2。
左から右へ。文字の「峰書」が現れたところ。
少しは駒らしくなりましたが、空砥ぎなので研磨屑がそのまま残っています。
このあと、天地と横面を研磨して面取りして、さらに2度目、3度目と徐々に細かく研磨を施し、最後に磨き上げます。
7月24日(水)、曇り。
先程、将棋ペン倶楽部から、今年度の将棋ペンクラブ大賞(特別賞)受賞の連絡をいただきました。
ーーー
第36回将棋ペンクラブ大賞
〔特別賞〕
熊澤良尊 『駒と歩む』(名駒大鑑刊行会)
半世紀にわたる駒作りと駒の研究、『駒と歩む』の出版等に対して
ーーー
とありました。
特別賞は他の部門と違って、有る年と無い年があるようで、選定基準はイマイチ承知しませんが、とにかく選定されたということで嬉しく光栄に思います。
表彰式は、10月5日(土)に、東京で行われるとのことで、久しぶりに上京しようと思っております。