熊澤良尊の将棋駒三昧

生涯2冊目の本「駒と歩む」。ペンクラブ大賞受賞。
送料込み5000円。
残部僅少ながら、注文受付中。

目次

作品 文章 写真 販売品

無地柾目の木地

2022-05-30 18:10:44 | 文章

5月30日(月)、晴れから雨に。

予報では、夜から雨降りとのことでしたが、当地では昼頃から雨が降り出しました。
気温は低下気味。過ごしやすくなりました。

ところで、仕事は外仕事。駒形になった木地を研磨調整。
たった一組なんですが、1日近くかかりました。
と言いますのは、古い江戸時代に作られた駒(書き駒)の映像に接しました。去年の秋にオークションに出ていた書き駒なのですが、やっぱり、雰囲気が違うのですね。
それを見て、活き活きした書き駒で文字を書きたくなったのですね。

そんなことで、久しぶりに肉筆の書き駒で作ることを思い立ちまして、そのための木地成型であります。

材料は、御蔵島ツゲ、無地柾目。
文字を楽しみ、文字を慈しむ駒。それは模様の無い無地に限るという思いであり、まあ実際、どんな文字になるかは、結果を見ないと何とも言えませんがね。
そんな気にさせた駒は、次のようなものでした。

 
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益々のご発展を

2022-05-28 17:47:11 | 文章

5月28日(土)、晴れ。
気温は30℃に迫る陽気。湿度はそれほどでもなく、そんな1日で、仕事は相変わらずの漆仕事、盛り上げ中心。
そんな中、蒔絵筆を1本、新しいのを下ろして使い始めました。

今回、谷川浩司九段が、六十才還暦をもって、現役のまま十七世名人を襲名されましたこと。改めてお祝い申し上げます。

谷川先生の足跡と将棋界への功績は、皆様、ご承知の通りですが、小生にとって、谷川先生との駒を通じてのお付き合いは25年くらいになりましょうか。
その間、多くの場面で大変お世話になって、ごく最近では、過日の展示会では、会場にの筆華やかな「お華」(下の画像)も頂戴しましたし、昨年は「谷川浩司五十九才筆跡の駒」の作成にも預からせてもらうなど、平素、何事にも筋をとおし、重んじられるお人柄には敬意と感謝でいっぱい。

谷川十七世名人の益々のご発展、並びに、日本将棋連盟様の繁栄を期待もうしあげます。

 

 

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出来上がった「Ⅾ」と「C」

2022-05-26 17:53:31 | 作品

5月26日(木i)、雨。

曇りから雨。蒸し暑い一日でした。
でも、仕事は漆の盛り上げの一方、先日から手掛けていた2組の駒が出来上がりました。
その映像です。
一組は、「錦旗」。

あとの一組は「古水無瀬」。

いずれも「福ら駒」を目指しての駒づくりでしたが、漆の具合は「盛り上げ駒」に近いものになりました。
それぞれ、お二人のクライアントには、その旨を伝えて、お許しがあればお届けしたいと思うのですが、いかがでしょうか。
もちろん、価格は「福ら駒」といたします。
ところで、この「錦旗」「古水無瀬」の文字のルーツと言いますか、元にしているのは、400年前の水無瀬兼成さんが作った「水無瀬駒」であります。その水無瀬駒を解説した地元、大阪府島本町発行の小冊子「水無瀬駒」をお付けして届けます。

なお、この二組。素材は先般このブログでアップした御蔵島ツゲ「Ⅾ」と「C」。
その映像を、付けておきます。


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再掲「ちょっと小さな中将棋駒」

2022-05-25 19:12:45 | 写真

5月25日(水)、晴れ、

不確かながら、晴だったよね。雨は降らなかったので、晴れだったと思っています。
あまり気にしていないことは、記憶にとどまらない。
まあ、こんな毎日なんですね。
ところで、今日の映像は「ちょっと小さな中将棋駒」。

少し前にも、アップしていたと思うのですが、ゆえあって、もう一度、アップすることにします。

この中将棋駒の盤サイズは、普通の将棋盤のサイズ。
およそ36センチx33センチ。
駒は彫り駒で、いつも工房に置いてあるものです。

作って、何年になりますかね。
正確には覚えていないのですが、20年近くなると思うのです。
その時、3組かそこいら、一緒に作った内の一組です。

大写しの映像でもお分かりのように、普段見慣れない駒には、進める行き先を、朱の点や棒線(その方向にズーっと進める)で、初心者でも分かるようになっています。
ああ、そのことも、このあいだ書きましたかね。
今日は、ちょっと小さな中将棋でした。

明日は、「錦旗」と「古水無瀬」がアップできそう。
では、また。

 

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こんなのも

2022-05-23 01:50:13 | 作品

5月23日(月)、薄日。
気温と湿度は上がり気味。とはいっても、まずまずの一日でした。
仕事は相変わらずの漆仕事。
この間、出来上がった駒をアップしておきます。

映像は「錦旗」福良駒。
木地は、薩摩ツゲの根っこ、チジミ杢。
映像では少々甘く、どこまでご覧いただけるのかですが、木質は堅くて飴色を呈しています。

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駒木地4種

2022-05-22 17:21:07 | 写真

5月22日(日)、晴れ。
マズマズの陽気なれど、湿度は高く。
梅雨の兆しかと。

本日の映像は、駒木地4種。

 

それぞれの違い、分かりますかね。

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「と金」いろいろ

2022-05-21 22:39:07 | 写真

先ほど、コメントで「と金」について、お尋ねがありました。
それについては、コメントで次のようにご返事しました。

ーーーー歩兵の裏「と金」ですか。
これは私の説というよりも、ほとんどの皆さんがご存じのことと思うのですが、仮名の「と」には似ていても、「金」」のくずし文字であり、その働きも「金」そのものであるわけです。
因みに、実際に駒に使われている「と金」の形は様々で、昔、作った資料が手元にありますので、それをアップしておきます。




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気分はよろし

2022-05-21 17:30:18 | 文章

5月21日(土)、曇り。

雨が降るよな、降らないような。そんな一日でした。

仕事は、漆の文字書き。
気分はよろし、「古水無瀬」そして「雛駒の水無瀬兼成卿」。
出来上がれば、アップします。
本日の映像は、薩摩ツゲの木地、2種。
チジミ杢(左)、そして孔雀杢(右)。

 

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巻菱湖、駒書体の「ヒゲ」

2022-05-18 18:44:45 | 文章

5月18日(水)、晴れ。

初夏真っ盛りの陽気でした。
本日のテーマは、先日コメントがあった「巻菱湖のヒゲ」について。
そもそも、巻菱湖の駒文字は、本人の菱湖が、駒の文字として書いたものではなく、
大正5年ごろ、将棋五段の高浜禎が考え出したもので、高浜禎の記録「萬(よろず)おぼえ帳」によれば、高浜が風邪で臥せっていた時、幕末の書家・巻菱湖(まきのりょうこ)の書道手本から文字を拾って駒の文字を作り出し、それで豊島龍山に駒を作らせたとあり、映像は、そのページです。

ところで、今回のテーマは、香車・桂馬・銀将の裏文字と、龍王
の最終画についているヒゲのこと。

一般的に市販されている駒には、ヒゲが付けられているモノが多いようですが、小生の場合は、少々の違和感があって、付けないことにしていて、先日のコメントは、そのことについてのお尋ねでありました。
以下は、そのことについての検証と、考え方であります。
そもそもの「ヒゲ」は、行書・草書の連綿体に付けられている文字と文字との連結画で、下の文字に繋げる筆の動きで自然に生じるモノなのですが、駒の文字としては、一文字、あるいは二文字の最終画で、それに続く文字はないのですね。
このことを、どう考えるかです。

記述が長くなりましたので、今日はここまでにしておきます。
ですが、この問題については、近々、もう少し掘り下げたいと思っています。

では、また。

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参考品「古式復原の守幸」

2022-05-16 01:57:54 | 作品

5月16日(月)、夜中。

本日の映像は「古式復原の守幸」。
作年は、正確には記憶しておりませんが25年くらい前の頃だったでしょうか。
ある時、大阪の方が古い駒を持ってこられました。
見ると、漆の書き駒で、多くの文字は漆が摩耗していて、その方は私に「この消えかかっている文字を直してほしい」ということでした。
私は、じっくりとその様子を「ウムフム」と眺めながら、「これは300年ほど前の江戸時代に作られた貴重な書き駒です。どこで見つけられましたか?」と尋ねました。
「名古屋、大須の骨董市。たまたまそこで・・」。
「そうですか。これは珍しい文字で、銘には守幸とありますね。私ごときが、要らぬ手を加えてダメにするよりは、これとそっくりの文字で姿形の駒を作りますから」ということになりました。

書き駒の場合、表面の文字の漆が摩耗しても、文字の跡は日焼けを免れて、そこにはうっすらと白く、文字の跡が残っているのです。この駒もそうでした。だから、そっくりの文字の駒が復元(復原)できたのです。
で数か月後、盛り上げの技法で4組ほど作り、その方には、この内の1組を買っていただきました。
この駒は、そのうちの1組。その映像です。
材は、御蔵島産の無地柾目のツゲ。
分厚い駒形、まったりした文字の形は、いずれも、300年ほど前の古駒を模したもので、双玉。
なお、江戸時代初期あるいは前期までに作られた駒は双玉で、先日の展示会では参考品として出展しました。



なお、これとよく似た文字として「清定」があります。

私の見解として、「守幸」は、その「清定」の源流というべき駒ではないかと思うのです。
理由は、「守幸」文字の肉筆感に対して、「清定」には肉筆感が無く、誰かがそれを真似てレタリングした文字(作った文字、作られた文字)を思わせる点にあります。

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駒の写真集

リンク先はこちら」 http://blog.goo.ne.jp/photo/11726