8月26日(月)、おそらくは曇り。
只今制作中の「空蝉」。木地は、御蔵島ツゲ。彫った文字は埋め戻し、これから文字を漆で盛り上げる直前の映像。この段階でしっかり磨き上げています。映像は左側から窓の光が差し込むやや薄暗いところで、ノンフラッシュで撮影しました。そのため左側の駒は、映る角度で窓からの光が反射して映っています。
完成にはもう少し日にちを要します。使用する漆は、日本産の「蝋色黒漆」と「木地蝋色漆」。「蝋色漆」は乾くと、表面がマット調というか蝋の表面のような鈍い光沢になります。「蝋色漆」の名は、これに由来し、塗り立てで乾固させた表面は、さらに磨くことで深みのある光沢へと進化します。
普通は、磨いて光沢を出して仕上げますが、時には塗り立てのままで仕上げることも。今度はどうするかは、クライアントの意向をお聞きしようと思っています。 なお、塗り立てで仕上げた文字は、実際に盤上で使用し空拭きを繰り返すことで、徐々にマット調から光沢へ変化し、そのプロセスが楽しめます。
「玉将」が2枚と「香車」1枚を余分に作っています。香車一枚は、根付にしようと思います。
8月25日(日)、曇り。
二日ほど寝やすい夜でした。昨夜の外気温は23℃とか。このまま行けば嬉しいのですが、でも、まだまだ寝にくい夜もあるでしょう。とにかく元気だけは持ち続けたいと思います。
朝食を終えて、間もなく仕事場に入ります。では、また。
8月23日(金)曇りがち雨。
昨日から、やや気温低下傾向です。 二日前、頼んでいた3種類の桐箱が届きました。平たい駒箱、文箱式の駒箱、雛駒用の小さな駒箱。砥の粉塗りは、桐箱屋さんに頼みましたが、それ以上のことは、すべて自分でやります。ということで、駒づくりの合間に、早速、一回目の下地塗りから始めました。
昨日今日と、漆塗り。漆塗りには絶好のコンデション。乾くことの早いこと早いこと。で、3回4回塗り重ねることができました。結果は平箱10個を塗り終えました。
ところで、指先はこの通り。
今日は、ちょっとふっくらした彫り埋め駒。
普通、彫り埋め駒のイメージは、木地と文字が真っ平になっていると思います。ですが、私のばあいは、ときどき、文字のところがちょっと膨らんだ彫り埋め駒を作っています。
文字が膨らんでいるのは、盛り上げ駒ですよね。この場合、漆は、零点何ミリか、1ミリくらい膨らんでいるのですが、これはそこまで膨らまさずに、例えば0.1ミリとか、ほんの少しだけ膨らまし文字の漆を膨らませて作ります。0.1ミリくらいですから、眼で見ても気づかないほどですし、ましてや写真ではわからないと思います。
ですが、駒の表面を指先で触ると、膨らんでいることがわかるのです。ふくらみはその程度ですから、盛り上げ駒とは言えませんし、言いません。
ということで、今日は、その「ちょっとふっくらした彫り埋め駒」が出来上がりましたので、映像をアップしておきます。これは、普通のお店にはおいても、アッピールのしようがむつかしいので、直接、わかっていただける方にお渡しすることにしています。今回も、そのようにします。
木地は、御蔵島ツゲの整った柾目。その映像もアップしておきます。
8月20日(火)、ベタ曇り。
遠くからカワズとセミの声。あまり大きくはありません。猛暑続きでも、ほんの少し秋の訪れかと。
昨日の午後は、大阪から客人。今日はありません。仕事は、昨日、中断していた「古水無瀬」の続き。銀将が2枚残っています。
朝食の時間となりました、では。
先ほど「古い駒だが、修理してもらえないか」との相談を受けました。
なんでも、「古い彫り埋めの駒だが、漆が飛んでいるところがあって、これを直してほしい」ということでした。[だれが作った駒かは聞きませんが、もともとこれを作ったとき、木地と漆の食いつきがシッカリとできていないまま、そのことを考えずに作られたものでしょう。多分、現在は漆がはがれていないところも、針先か爪楊枝の先で突けば、ポロポロと剥げ落ちると思いますよ。それに、禿げたところを新しい漆で修理しても、駒自体に手垢とか油がしみ込んでいるので、漆が完全にくっつかないのです。ですから、手間と費用をかけて修理しても、無駄になると思います」。
「はあ、そうですか。彫り直すとかすればどうですか?」。
「思い入れがある駒なら、そうお考えになるかもしれませんが、良い結果は期待できません。無駄な手間をかけるより、新しく駒を作ったほうが手間もかからず、良いものができまます。 ということで「わかりました」と、この一件は落着しました。
8月18日(日)、おおむね晴れでも、夕刻に一時雨。
酷暑。昼に妻と買い物に行くが、体だるく、熱中症の兆候のような感じでしたが、今は元気です。 本日の映像は、一組残していた「活筆駒、正化」。
8月16日(金)、台風が抜けた後も、風と雨。
今日この頃は水難事故が多発しています。特に、幼い子供の事故が多い。最悪は台風が近づいていても子供ずれで海水浴に行くとか、波の荒い岸壁を歩いたり釣りをするとか、山でキャンプするとか。ニュースを見ていて悲しくなります。背景には、社会的現象として、危険や危機に対しての意識が薄い傾向がある。特に近年はそのように思います。「命は一つしかない」のです。
「活筆駒」。予定の2組は、おかげさまで、嫁入り先が決まりました。ありがとうございました。 その後、追っかけてリクエストをいただいた方には、申し訳ありませんが、少し時間をいただいて、追加作成するようにします。ひと月ほどお待ち願います。
8月15日(終戦の日)、荒れ模様。
台風が四国の西端をかすめて、広島あたりに上陸。当地は昨日あたりから強い風です。
本日の映像は、活筆駒。小生肉筆のレギュラーサイズの駒。 今日は、これを磨き上げてアップしました。文字は、やや太めにしました。活筆駒は試作的な要素もあり、お店を通さないで、試しに使ってみようとおっしゃってくださる方に、安価なモニター価格の10万円(プラス消費税、送料)にて、直接希望される方にお渡ししようと考えます。もちろん、お気に召さないようなら、返品してくださってもかまわない、という条件です。 見た目と指し心地は、盛り上げ駒と全く変わりがありません。材は、緻密で堅く用的な薩摩ツゲで2組作りました。 どなたか試してみよう、あるいは、ご質問があれば、コメント(マル秘扱い)にてお知らせ願います。早くコメントをくださった方から優先して対応いたします。
8月13日(水)、晴れたり曇ったり。
今日の映像は、二つ。
その一は、雛駒用に成形した小さなき木地。近々、これでもう一組作ってみようと思います。
もう一つは、今日仕上がった「巻菱湖写」の盛り上げ駒一式。材は太い薩摩ツゲの杢。しっかり磨き上げました。
嫁入り先は、40年来親交のツゲ櫛屋さん。「材は島ツゲ、薩摩ツゲのどちらがよろしいか」と尋ねたら、「そうね、やっぱり丸十だね」とのことでした。丸十は、薩摩の旗印。ということで薩摩ツゲになりました。