2月28日(月)、晴れ。
朝は氷点下でしたが、気温はぐんぐん上昇。
只今は12℃。3月の陽気になりました。
昨日の追加接種。左腕に少々の痛みはありますが、ほぼいつもの通りで、問題はありません。ワクチンは、ファイザーでした。
今日は何をするかなと考えましたが、やっぱり昨日の続き「摩訶大代々将棋」を再開。木地を揃えるところから始めました。
元々は、必要な数の2倍以上の木地を作っていましたので、その残りの木地を活用することにしました。
こんな感じです。
上が、途中段階。こちらが、さらに研磨を進めたところ。
まだまだ、この続きがあります。
2月24日(木)、雲多きが晴れそう。
「摩訶大々象戯」。
駒の動かし方についての記述が漏れていました。
(「将棋」は「象戯」とも書き、同意であり、昔はこの字も使われていました。蛇足ながら)
駒の映像を良くご覧になると、表面、端の方に「小さな赤い点や棒線」が見えるものが有ると思います。
実は、これが駒の行き方を表していて、普段なじみの薄い駒で行き方を覚えていなくても、駒が動かせて将棋が指せるわけで、これは、水無瀬兼成さんの「象戯図」にある工夫なのです。
映像を、再びアップしておきます。
点が小さいので、分かりますかね。
どうですか。この駒なら、貴方も直ちに「摩訶大々将棋」が指せますよね。
後刻、もう少し分かりやすい映像を撮り直して、追加アップしようと思います。
例えば「夜叉」。上下、斜め方向に点が二つづつあるの、分かりますかね。
因みに「将棋馬日記」も、部分アップしておきます。
2月23日(水)曇り。
まだまだ寒い日が続きます。
駒の大きさなどについて問い合わせをいただきましたので、「摩訶大々将棋駒」を再度アップし、説明を追記します。
小生にとって「摩訶大々将棋駒」の制作は、この駒が唯一で、展示の時の透明パネル越しで撮影しました。そのため、パネルの僅かな汚れが映り込んでいるところがあります。
なお、「猛虎」あたり、盤との隙間に白いものが見え隠れしていますが、展示の時、駒がいざらないようにしている粘着テープで、これは奇麗に跡かたなく剥がすことが出来、駒には全く影響がないものです。
駒駒の大きさは「玉将」で高さ22.5ミリ、幅17.5ミリ、厚み8ミリ。
その他の駒は、これより高さが1ミリ程度小さく、厚みは0.5ミリ程度薄くなっています。
駒箱には、このような記述をしております。
変換ミスで「摩訶大々将棋」の「摩」を、取り違えておりました。
このところ、何回か間違っていましたので訂正いたします。
なお、ある研究者が「摩訶大々将棋」を普及させるべく、「摩訶大将棋の○○」という本を出しております。普及のための行為はリスペクトするのですが、将棋の名前を間違えています。
歴史的には「摩訶大将棋」という名前の将棋は存在しておらず、単なる間違いならいざ知らず、本来の名前を、勝手に自分流の名前に置き換えて普及させようとするのは、どうかと思います。
間違いは誰にでもあることですが、大学の先生だけに信じてしまう人も少なくなく、学問(教育)上の問題としても良くないと思うのです。
正しくは「摩訶大々将棋、と呼ばなければならない」と、申し上げておきます。
本日、展示会に向け並べ直して準備した「摩訶大々将棋駒」の映像です。
19✕19枡。駒数192枚。盤の大きさは、碁盤サイズ。
駒の大きさは縦が15ミリ程度。
もちろん、小生の肉筆、漆の書き駒「良尊(花押)」と年齢が入っています。
一応、非売品としていますが、希望者がおられましたら価格はご相談の上で、盤(榧3寸盤)を付けてお譲りします。
なお、とちょっピンボケですが、玉将の横に、制作年を入れています。あれから15年ほど経過したのですね。
それにしても、汚い手でごめんなさい。
2月20日(日)、曇り時々小雨。
朝から、展示会の準備を始めました。
会場の広さは、およそ10メートルx6メートル。
机は長机をL形あるいはコの字形に、15台ほど配置できそうです。
その中の展示品の一つ、「摩訶大々将棋駒」。
駒を盤の上に配置して、表裏の文字をご覧いただこうと思っています。
何せ駒が192枚もあるので、展示会当日に並べるのは困難なので、あらかじめ整然と並べて、移動させても崩れないような工夫が必要。
ということで、先ずて初めのその作業を始めました。
クリーニングを含めて、これだけで3時間ほどかかりそう。
並べ終わり次第、映像にしてアップしようと思っています。
ではまた。
2月18日(金)、深夜。
Tすずき様より、再度、ご意見をいただきました。
ーーー小生の駒箱への考えを話します。
昨年から将棋に興味を持ちだし、将棋道具を集め始めました。
初心者の常で、初めは形から入りました。対局では、駒袋が駒箱に入れてあり、その袋から駒が盤上に出されるのを拝見しました。
そこで、駒を集めながら駒箱と駒袋も集め始めました。
しかしながら、駒の手入れをしているうちに、駒箱を開けて駒袋から駒を出して磨く手順の手間が少し、腑に落ちなくなりました。
結論から申し上げれば、「駒それぞれのすべてが一覧できる上、駒にキズを付けずに保管しておく」には、平箱が最適だと得心しました。
ーーー
以下は、これに対して、小生の意見です。
対局時、盤上に置いて使う四角い駒箱は、伝統的な様式美であります。
一方、貴兄の「平箱は、駒が一覧出来てキズがつかない」とのご意見は、そのとおりで、保管には最適です。
それは私が先に述べたように、駒屋さんや制作者にとって、商品に疵をつけないという販売上の必須条件なのですが、片や、将棋を全く指すことなく、駒を集めて眺めている愛好者もおられます。
その方々は、駒に傷がつくことを極力避けながら、そっと眺めているのだろうと思います。
それはもっともなこととは思うのですが、大きな欠損や傷は別として、駒は使われてこそ価値があるわけで、大切に使っていれば、駒の価値を下げる致命的な傷は付かないものなのです。
一般の消費者、つまり、プロを含む駒の使用者たる将棋愛好家にとって、使用することで「駒に小傷がつく」こと自体は自然なことで、むしろ、駒全体がしっとりして自然な良い感じになるのですが、おそらくはその方々は、キズが付くことを恐れるあまり、駒を触ることがないまま、実感されていないのではないでしょうか。
かって大山名人が、私ともう一人の前で、その人が大山名人に見せに持ってきた「新しく購入した駒(確か静山作の錦旗の盛り上げ)」を、どれどれと言いながら袋から出して、両手のひらでくるみながらグルグルと揉んで、「新品の駒はこのようにするのが良い」と、おっしゃったことがあります。
つまり大山名人は、駒は小傷を気にすることなく使って、むしろ自然な小傷は人にとっての向こう傷でもあるかのような口ぶりであり、それを見た私はびっくりしましたが、直ぐに「なるほど」と思ったものです。
私なりの結論を申し上げます。
駒は眺めるだけでなく、時には箱から出し、自らの指先で実際に盤に並べて他の惜しんでいただきたいと思います。
箱のまま、いつまでも納めたままではカビが生じます。
カビは駒にとって致命的です。一旦ついたカビは取ろうとしても取れません。
駒には人の自然な指先の油っ気が一番。
駒の価値を高めます。
今日は、満月なのですね。
「歩兵」にU金具を取り付けました。
このあと、金具に紐を通して出来上がります。
金具は、接着剤をつけて、小さなペンチで押し込むのですが、何せ小さな穴なので、結構な力を要します。
100個ほどが進むと、親指と人差し指の赤くヒリヒリ。
それでもやめられないのですね。
まあ、明日には痛みも和らぐことでしょう。
前のブログで「平箱」のことを書いた後、書き漏らしていたことに気づきました。
夜には追加で書かなければと思っていたところ、はからずも、二人の方から関連するコメントをいただきました。
書き漏れていたのは、「平箱の機能」についてでした。
「平箱」は、30年ほど前に現れた保管販売に便利なグッズで、機能としては、駒それぞれのすべてが一覧できる上、販売店や私のような制作者が、駒にキズを付けずに保管しておくためのものであり、本来の正式な対局において使われるものでは無いということです。
また「平箱」の中には、特別に効果で華美な材料で作られたものが有りますが、「平箱」は、あくまで「駒」の入れ物なので、箱だけが目立ってもおかしく、レベル的にはそこそこが妥当だと思うのですが、皆さまの感覚はいかがでしょうか。
2月17日(木)、曇り。
昨日は、当地でも雪が降りました。
今日はどうでしょうか。昼近くになっても、3℃です。
ところで、T鈴木様から、駒箱についてコメントをいただきました。
ーーー
いつも大変興味深く、楽しく拝見しています。
熊澤先生が桐の平駒箱に、大変お手間をお掛けになられているのを知り、驚きました。
同駒箱は、販売されている品をそのまま使用されているとの先入観を持っていました。
お忙しい中、恐縮ですが、平駒箱に、そこまでお手間をお掛けになるのは何故かをご教授ください。
将棋への理解が、一層深まるので、有難いです。
ーーー
以上です。ありがとうございました。
お答えは簡略にコメント欄にて致しましたが、少し補足させていただきます。
平たい駒箱ですが、一番初めの頃は、誰かが作った桐の駒箱を使いました。しかし材料と言いサイズと言い、無駄な大きさで、でかすぎ。
それにもかかわらず、駒を逆さにしないと全部の駒が収まらず、全く気に入りませんでした。
そこで、独自に考えて桐箱屋さんに注文し、以来、それを使っています。
何事でもそうですが、私としては考えることが楽しいわけで、結果が少しでもよければ、うれしいわけです。
ですが、桐箱は頼めても、漆塗りや、駒を並べる横桟までは桐箱屋さんに頼めないので、手間をかけてでも、箱には自分で手を加えて使っているのです。
設計で考えたポイントは、つぎのとおりです。
1、予備駒を含めてすべての駒が正対して並べられるようにする。
2、無駄な空間部分は極力無くして、箱は最小のジャストサイズにする。
3、そのため、部材もギリギリに補足したモノにする。
4、タテヨコは美しい黄金比にして、スッキリ感を高める。
5、箱が古くなっても、汚れがつかないように、生木のままでは使わない。
6、材は、狂いが起きにくくて美しい、柾目材を使う。
7、布やスポンジなど緩衝材は、駒に色写りする質悪なものは使わない。
まだまだ細かいところに配慮して、無い知恵をフル動員して、いろいろ考えるのは楽しいことでもあるのです。