1月29日(土)、晴れるも雲多し。
本日の映像は、「古水無瀬」。
三玉は少ないのですが、その中の一組。
材は、御蔵島ツゲの杢。根っこに近い太い部位から取りました。
窓越しの陽光の下、フラッシュとで撮影しました。
1月27日(木)、晴れたり曇ったり。
相変わらず目まぐるしく変わる空模様の一日でした。
今日も木地揃えを少々。
その中間結果の事例として、ほんの一部を映像にしてみました。
1月24日(月)、曇りのち晴れ。
気温上昇、太陽も出そうな予感。
で、久しぶりに朝から外仕事を少々。
ふるさと納税返礼品の「錦旗」と「古水無瀬」彫り駒の文字出し研磨にじっくり時間を掛けました。
完成には、あと数日かと。
もう一組のリクエスト。
そちらは少々後になりますので、御了承願います。
1月17日(月)、晴れ。
朝から太陽。昼の気温は9℃でしたが、暖かそうだと外仕事を始めました。
ですがこの時期、風邪をひいてはたまりません。
寒さに耐えきれず、30分ほどで切り上げることにしました。
ということで、その後は、盛り上げ仕事にきりかえました。
映像は、盛り上げ仕事に使う「蒔絵筆」。
昨日、筆先に含ませる漆の量の質問がありましたので、映像にしました。
中央の飛車は、巻菱湖。
文字は太くはないので、この程度の漆です。
分かりますかね。
1月15日(土)、曇り。
本日の映像は、先日から手掛けて完成した「巻菱湖」の盛り上げ。
こんな感じです。
材は御蔵島ツゲ。
作者銘はフルネームにしましたが、単なるその時の思いつきであり、他意はありません。
ところで、王竹さんから次のような質問をいただきました。
ーー最近盛上駒風の書き駒が売られているのを見ました。
邪道のような気がするのですが、一見盛上駒と区別がつきにくいように思います。この盛上駒風の書き駒に対する先生のご見解をお聞かせいただけませんか?
お尋ねは、盛り上げ駒と書き駒との比較ですね。
これについて、私なりの見解を申し上げます。
観る眼がある人は別ですが、そうでないと、上手くできた盛上げ駒と書き駒は、見分けが難しいでしょうね。
先ずは書き駒のことですが、一般的には、書き駒はランクとして一番下の駒だという認識のようです。しかし私は一概にはそうは言えないとの見解です。
その昔、水無瀬家で作られた「水無瀬駒」は書き駒です。
書き駒にもいろいろあって、書き手の技量と書に対する修練の違いが、如実に駒の評価を左右します。
水無瀬家の「水無瀬駒」の筆跡は、400年前の能筆な公卿が漆で書いた肉筆の文字であり、高度な鑑賞に堪える「古筆」として、今なお最上級の駒として評価されています。
しかしながら、そのような上物の書き駒は、駒づくりの職人が多く台頭するに伴い、能筆家の公卿は駒づくりから離れてゆくことになる。そんな歴史をたどったのが江戸時代でした。
一方、現在は書き駒が最下段の駒だと見なされているのが現実で、それは江戸時代末期に興った天童の書き駒の影響が大きい。
天童駒は、天童駒でしか見られない独特の文字で書かれています。
他所では見慣れない文字が良いのかどうかという問題も含め、天童では駒問屋の支配下で量産一途で生産されてきた駒は、挙句の果てに未就学の幼い子供まで駒の書き手として駆り出され、その安価で粗雑な駒は、シェアー96%と国中を席捲してきた歴史があり、その結果、「書き駒=安易で粗雑な最下等の駒」だという誤った認識が定着してしまった。
次に、書き駒と盛上げ駒との関係です。
そもそも、盛上げ駒が作られるようになったのは、今から百数十年前の明治時代であり、当時の駒づくりの職人が、水無瀬家の「水無瀬駒」のような優雅な文字を、職人技で再現しようとする動機で考案された手法です。
つまり、書に対して特に優れた感性と技を持たなくっても、そこそこに古の優れた文字で駒が作れる方法として考案されたもので、以来、それが高級駒作成のプロセスとして定着した。
盛上げ駒の利点は、永年の使用で文字の漆が摩耗しても、下地の文字はなくなることは無く、これは認めるべき盛り上げ駒の利点でありましょう。
でも、考え方によっては、どちらが勝っているとは言い難い。
要は、その駒が魅力的かどうかということ。
それが私の見かたです。
1月12日(水)、雪混じり。
寒いです。非常に寒いお昼です。
本日の映像は「巻菱湖」。
表の文字の盛り上げを始めました。
上段は漆を盛り上げたところ。
下段は盛り上げる前、彫り埋めている姿。
- 1月9日(日)、曇り。
- コメントで、黒檀などツゲ以外で駒に向きそうな木材について質問があって、概略のことは、お答えしたのですが、改めて触れておきます。
- ーー
- お尋ねのこと、私なりの体験に基づいた意見を申し上げます。
黒檀は硬い素材ですが、硬くても粘り気が少ないので脆く、駒として実用にはどうかと思います。
木材で勘違いしやすいのは、硬いことと堅くて強いことは同じではないということです。 - その点、紫檀は樹脂分が豊富で粘り気もあって堅く、色つやもいいので、ツゲの次に来る駒材ではありましょうが、同じ紫檀だといっても、一本一本違いはあるので、一概には言えないと思います。
例えば、紅木紫檀(こうきしたん)は、その色合いから尊ばれていて、高級な三味線の竿などに好まれて使われています、、
白檀は、紫檀よりやや柔らかい素材で、芳香材として珍重されており、駒にも使われています。
白檀は、南方各国で産出されていて、品質はいろいろピンキリでひとくくりにはできませんが、最上とされるのはインド産の白檀です。 - ところで、一般的に出回っている白檀材は、直径10センチ程度の細いものが多く、色合いも白い灰色っぽく、それゆえ、白檀という名がつけられているのだと思います。
- インターネットなどで時折り見かける「白檀の駒」は、このような辺材で作られたもので、木質に奥深さが無く、いささか物足りない感じです。
しかし、直径が20センチを超える太い材だと、中心部分で樹脂分を多く含んだ茶褐色の心材が見られ、その心材部分で作った駒は、全く違った印象となります。
私自身は、ふた昔ほど前のことですが、ある名人経験者のお兄様から、退職記念として「白檀駒」をリクエストをいただいたときに、何か所から白檀の原木を取り寄せてみたのですが、気に入ったモノはなく、最終的に京都のお香屋さんの倉庫で見つけた直径23センチの原木にあった僅かばかりの心材の部分のみを使って、駒にしたことがあります。
- 結局、その白檀からは、その1組と、もう1組の2組だけしか作れませんでしたが、現在はこのような太い白檀を入手することは困難だと思います。
花梨は葡萄杢の面白い模様が出るのですが、木質は脆くて軽く、どちらかといえば、高級な紫檀の代替品として使われることが多く、駒としては紛い物の見るだけのモノといえましょう。
結論的に言えるのは、やっぱりツゲに勝るものにはないと思っています。
- そのほかの材では「イスノキ」と「沈香」があります。
イスノキは、赤っぽい褐色を呈し、かなり堅い材で、原木から数組作った覚があります。駒形にしたイスノキの木地が何組か残っているので、そのうちにもう一度作ってみようかと思っております。
沈香は超高価な素材で、その上、駒にできるような大きさとなると、原木
を揃えて駒にすること自体、不可能に近いような気がするのですが、前々
から作ってみたいと思っているものです。
1月6日(木)、雪チラチラ。
寒い一日でした。
今年初めて出来上がった駒「古水無瀬」。
材は薩摩ツゲの盛り上げ駒。
その映像です。