10月31日(土)、晴れ。
朝の気温は5℃。寒くなりました。
ところで、只今作中の将棋チェスト。
制作が遅れていましたが、11月末には出来上がるとの見込みです。
もうしばらくお待ちください。
10月28日(水)、晴れ。
昨日、引き出しを整理していたところ、象牙の駒木地が出てきました。
その映像です。
右がセットの一組。左は予備の余り駒。
大きさは、400年前の水無瀬駒に倣っての分厚い造りにしています。
何年か前に、ここまで成型して引き出しに入れていました。
以前は象牙素材の入手はそれほどでもなかったのですが、近年(昨年以降)は、象牙製品の流通規制が強まって、今は象牙の箸さえも入手が困難になってしまいました。
象牙の駒制作は、どうやらこれが最後になるように思いますが、近々、時間が出来たら駒に仕上げようかと思っています。
文字は、400年前の水無瀬に倣っての漆書き。
出来上がりは、おそらく来春になることでしょう。
一組、在庫がありましたので、アップします。
盤は縦194ミリx横173ミリ、厚さ30ミリ。榧柾目の一枚板。
榧の良い匂いが漂います。
駒は薩摩ツゲ、小生肉筆の漆書き駒。余り歩1枚。
これに桐製駒箱とフクロウの駒袋をセットし、価格は、従前どおりの15万円といたします。
10月24日(土)、雨だったか晴れだったか。
とにかく、部屋の中での作業。
「兼成卿水無瀬」まもなく出来上がり。出来上がりましたら、明日にでも映像をアップしようと思います。
先に触れました「金箔を混ぜた盛り上げ駒」。
3つの玉将のお尻には「良尊七十才。平成二十三年良尊模刻。水無瀬兼成卿筆跡」とあり、今から七年前、特殊な効果を狙って作った、その映像です。
この写真では、効果はよくわかりませんね。
盛り上げた文字は、透き漆。木地呂漆とも言い、真っ黒でなく透明感があって、中に含まれた金箔がチラチラと見てとれるのです。明日、もう少し分かるように工夫して写真を撮り直そうと思います。
非売品ですが、工房に来ていただくと、ご覧いただけます。
家紋蒔絵、黒塗りの駒箱に収納しています。
10月10日(土)、雨。
台風は三宅島御蔵島方面に豪雨のニュース。
その昔、三宅島では坪田で泊まりました。40年くらい前の話です。
三宅島は確か政治家・浅沼稲次郎さんの出生地。浅沼稲次郎といっても、若い人の多くはは知らないかもね。
はるか南に、お椀のような形に見えたのが隣の御蔵島でした。
宿泊先の店では、一本のツゲの木がオブジェとして使われていました。その枯れた一株を見つけて、無理を言って購入。重いのを承知で、担いで帰りました。そのツゲからは一組だけ駒にしました。しかし、加工が中々面倒なので残りの部分は、今でもそのまま残しています。
さて、今日は漆の話。
先日、工房に来られた方と、漆の話になりました。
「日本産漆と、中国産漆との違いについて」です。
「そうですね、顕著な違いはよくわからない。強いて言えば、乾いた後は日本産漆の方が固いということでしょうか。表面の固さが違うと思います」。
日本産漆は、少ない量しか採れません。数年前、日光東照宮の修復工事がありました。その時は、日本産漆はほとんどこれに充てられたので、市場には出回らなかったことが続きました。
日本産は50グラムのチューブ入りがおよそ1万円。対して中国産は千円ちょっとで、値段差は10対1。
ですので下地工程には中国産。最終工程の盛上げには、性能のちょっとの差を信じて日本産を使っています。
とはいえ、同じ日本産でも性質的には、より堅かったり柔らかかったり、乾くのがはやかったり遅かったりと、性質の違いはある。
それをできるだけ均質にして使うという考えで、時々で買い求めた漆を3種類、場合により4種類ほど混ぜ合わせて使います。
もちろん、漆は混ぜ物をしていない蝋色を選びます。
ところで、次は何について語ろうかな。
質問でもなんでも、聞きたいテーマがあれば、コメントでお寄せくださると助かるのですが。