行く川の流れ

花・鳥・旅行写真日記

露草(ツユクサ)

2009-09-19 21:48:20 | Weblog





露草(ツユクサ),夏から秋,6月から10月にかけ,
花を咲かせるが,秋の季語になっている。
朝露の中に花開くところから,露草の名があるが,
その花も昼過ぎには閉じてしまう。

花のかたちがとてもユニーク,
なにか,ミッキーマウスの顔を想像する。
花びらは3枚,上部のマウスの耳と思える部分の2枚が
いつも見とれるほどの見事な青色である。
もう1枚は顔の鼻あたりなるのか,
青い花びらの下に小さく白色の花びらが見える(写真中)。
オシベは6本あり,上に短いのが3本,下に長いのが2本,
まん中にその中間ぐらいなのが1本と,分散しており,形も違う。
花粉の量も下の2本は多く,上3本は少ないのだそうだ。
これは多分,花に来る虫たちに高確率で花粉を運ばせるために
花粉の量も含め,戦略的な配置なのであろう。

露草の茎は節を持っており,
生息する環境により,横に広がり増えるもの,縦に伸びるものがある。
周囲に競合相手がないと判断すると横に広がり,
自分達の生息エリアをどんどん拡大する。
群生して露草が咲いていることがあるが,それがこのパターンになる(写真下)。
競合相手が多い場所に発芽すると,節を真っ直ぐにして,上に伸び,
他の草に覆われてしまわないように背を伸ばす。
そして,虫たちが訪れてくれるように,他の草より上に花をつける。
草の中,灌木の間にひょろ長く伸びている露草がこのパターンになる(写真上)。
また,茎の節は,人間などに突然刈り取られなどしたとき,
この節から根を出し新しく再生する重要な任務を担っている。

露草の他に蛍草,青花,藍花,月草,帽子草などたくさんの別名を持つ,
それは万葉の時代からずっと日本人に親しまれ,利用されてきた証しである。
そして,何千年も脈々と生き続け,今も大都会の高層ビルの下にも花開き,
その個体数が維持できているのは,
どんな環境下でも種を保存し,増やそうとする知恵と仕組みを持ち,
そして,雑草のたくましさを発揮してきた結果なのであろう。
それにしても見事な青色である。

 露草の青は不変ぞ摩天楼
コメント
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