行く川の流れ

花・鳥・旅行写真日記

関西にて(5) 三井寺

2011-10-21 23:40:37 | 風景
石山寺駅から引き返し,
京阪膳所駅を過ぎ4つ目の駅が三井寺駅,
そこから琵琶湖疏水に沿って10分ほど歩くと三井寺です。
正式名を長等山園城寺,天台寺門宗総本山と書かれていました。
比叡山延暦寺は天台宗総本山となっています。
天台宗と天台寺門宗,元は同じですが,対立のすえ分かれたようです。
その結果,延暦寺に何回も攻められて,焼き討ちされたこともあったようです。


運慶作の金剛力士像が配置されているという仁王門は改修中,
そこで総門から入ることにしました。
総門を入り,右に曲がると国宝の金堂がありましす。
桧皮葺の屋根の曲線がきれいです。


金堂を過ぎ,左に折れると「弁慶の引き摺り鐘」と
いわれる鐘が飾られていました。
三井寺と延暦寺の対立が続いているとき,
弁慶がこの鐘を三井寺から比叡山まで引き摺り上げたとされるのが,
この名の由来です。
このときの引き摺り傷が鐘に残っていました。
三井寺にはもう一つ,有名な鐘があります。
歌川広重の近江八景の「三井の晩鐘」でも知られ,
音がよいことで,日本三銘鐘に数えられている鐘です。


三重塔と一切経蔵,いずれも重要文化財,
引き摺り鐘のある建物近くからの写真です。
三重塔は室町時代末期に建立されたもののようですが,
奈良の吉野の寺院にあったものを秀吉が伏見城に移築し,
それを1601年,家康がここ三井寺に移したのだそうです。
もうこの頃には家康がかなりの権力を発揮していたことがうかがえ,
今年の大河ドラマと重ね合わせると,
生々しい歴史がいっそう感じられます。


唐院への参道,石灯籠の美しい並びに魅かれて撮ってみました。
奥の石階段の上は唐院の表門,
唐院四脚門と呼ばれるこれも重要文化財です。

明月や名鐘二つ三井の寺
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関西にて(4) 石山寺

2011-10-20 21:05:26 | 風景
天平の時代に琵琶湖の南端,瀬田川の岸近く造られた石山寺,
国の天然記念物である石山寺珪灰石と呼ばれる岩盤の上に建ち,
これが寺の名の由来になっています。


石山寺の山門を入るとすぐに
珪灰石が風化してできたくぐり岩と呼ばれる岩穴があります。
ここをくぐるとよいことがあると書かれていましたので,
トライしてみましたがとても狭く,低く,
腰が痛い年寄りには少しきついものがありました。
そのくぐり岩の前には天平の時代からの池が
今も変わらぬ姿で残っていました。


写真,くぐり岩の前の池ではありませんが,
そのすぐ近くにとても雰囲気のある池がありました。
やはり,岩に囲まれています。
その岩に苔がたくさん生えています。
この岩も珪灰石でしょうか,
そして池も天平の時代からあるのでしょうか。


珪灰石の奇岩の奥に建つ国宝の多宝塔が
石山寺の撮影ポイントのようですが,
あいにく現在は修理中,青いシートで覆われており,
写真になりません。
修理中の多宝塔は見られるようなので,
階段を上ってみました。
普段ではまず見られない近くに,
多宝塔の屋根,その木組みを見ることができました。


石山寺には多宝塔以外にも
国宝,重文の建築物が多くありましたが,
自然豊な山寺,建物よりそちらのほうに興味が行ってしまいました。

写真は境内の木にぶら下がっていた蓑虫,
子供の頃,よく見た蓑虫も最近はいなくなりました。
まだ秋も中ごろ,この蓑虫,冬に備えて蓑の家を修理中,造成中のようです。
蓑から顔を出したり,引っ込めたりしていました。
蓑虫の虫そのものを見るのは初めてです。
こんな虫が中に住んでいるようです。


嵐で木が折れかけているのでしょうか,
それとも実の重さに耐えられなくなったのでしょうか,
驚くほどたくさんのギンナンをつけた銀杏の枝が
寺の塀の瓦にもたれるようにありました。
枝の主を探してみると,幹の太さはたいしたことはありませんが,
幹はぼろぼろ,かなりの老木のようです。

体育の日 無理してくぐりくぐり岩
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関西にて(3 )酔芙蓉と秋明菊

2011-10-19 22:42:38 | 花,植物
京阪石山寺駅から石山寺まで,
瀬田川沿いの参道をゆっくり歩いて10分ほど,
その途中,石山温泉の旅館が参道沿いに何件か並んでいます。


名が「ぼたい樹」という和風旅館ですが,
庭にりっぱな酔芙蓉の樹が植えられていました。
まだ酔っていない白花,酔いかけのうっすら紅色,
そして酔いがすっかりまわった紅色の花が
入り混じって見事に咲いていました。


富山県八尾の「おわら風の盆」を題材にした小説や歌で
よく知られるようになった粋な名の酔芙蓉です。
東京では芙蓉はよく見ますが,
酔芙蓉はあまりお目にかかれていません。
ここ大津市ではよくある樹のようで,
帰りの京阪電車の線路沿いのあちらこちらに花を咲かせていました。
この時期に,盛りのように咲いているということは
芙蓉より花期がだいぶ遅いと思われます。


その「ぼたい樹」の酔芙蓉の横に
変わった花びらの秋明菊を見つけました。


花びらの大きさが縦と横で違い,
どの花も円形ではなく楕円形に見えます。
そして大きい花びらと小さい花びらでは同じ紅系でも色度が違います。
園芸用に改良されたものと思われますが,
花数も多く,花形も花色きれいで,インパクト度の高い秋明菊です。


円形花の秋明菊です(10/16,東京にて)。
この円形の花がよくある普通の秋明菊と思われます。
花色は写真の淡いピンク色と純白にも思える白花の2種,
いずれも清楚で美しい花です。
秋明菊は菊の名がつきますが,実はキク科ではなくキンポウゲ科,
また,上記に花びらとか花と表現しましたが,
花びらに見えるのは,花びらではなく萼です。

夕暮れの古都を歩けば酔芙蓉
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関西にて(2) 癒しキャラ

2011-10-18 21:10:20 | 風景

石山寺で可愛らしいキャラクターを見つけました。
今日は門内に3人並んで休んでいますが,
なにかイベントがあるとそれぞれ出向します。
おおつ光君と名がつけられ,
大津市の観光キャラクターとて活躍しているとのことです。
石山寺で見ること,光という名から考えると,
石山寺生まれの癒しキャラでしょうか。
奈良の「せんとくん」,彦根の「ひこにゃん」より癒されます。


紫式部は源氏物語の構想を石山寺で練ったといわれています。
そんな関係で石山寺は紫式部ゆかりの寺としても知られ,
紫式部像が境内の山の上のほうに造られています。
袴姿で物語の構想を考えている紫式部,
癒しキャラの部類ではありませんが,優美な姿に心が安らぎます。
背景は2008年に再建された光堂,
光と名がありますが,光源氏からつけられたものではないようです。


三井寺にとてもやさしい顔,そして愛らしいお地蔵さんを見つけました。
紅い毛糸の帽子がよく似合い,
思わずカメラを向けてしまいました。


翌日の京都,高台寺の入り口付近,こんな小さな石像を見つけました。
秀吉とおね(高台院)だそうです。
隣で同伴者が可愛いと叫んでいました
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関西にて(1)京阪ラッピング電車

2011-10-17 21:42:28 | 風景
9,10,11日と関西方面に出かける機会がありましたので,
なかなか訪れる機会の少ない,滋賀県の大津市,
琵琶湖畔の石山寺と三井寺まで足を伸ばしてみました。


新幹線で京都まで行き,JRで膳所まで戻り,
石山寺も三井寺もそこから京阪電車に乗ります。
この京阪電車,ローカル色豊かな2両編成ですが,
車両内外にペイント装飾がいっぱいに施されており,
どの電車も目を楽しませてくれます。
写真は三井寺駅付近で踏み切りを通過する石山寺行きの電車,
思わずシャッターを押しました。
石山寺とゆかりのある紫式部を中心に,
平安の時代を思わせる絵が電車全面にペイントされています。


ちょうどこの日10月10日は大津祭の当日だったようです。
写真は三井寺駅にて,そのお祭りの情宣電車のようです。
そういえばお祭り帰りと思われる親子が何組か駅にいました。




写真,石山寺へ向かうのにたまたま乗った電車内部です。
12月から上映されるアニメ映画,「けいおん」とタイアップした
「けいおん」ラッピング電車と呼ばれる電車だったようです。
この「けいおん」というアニメ,熱狂的ファンも多いようで,
何人かの男子高校生が電車内を歩き回り,盛んに写真を撮っていました。
関東からわざわざこの電車に乗りに来る人もいるようです。
また,外側も派手にペインティングされており,
ピンク色の地にアニメのヒロイン達が電車一面に描かれています。
見ているだけで楽しくなります。
人物を入れての写真しかなく,掲載できないのが残念です。

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荻そして葦

2011-10-16 19:40:28 | 花,植物
昨日の続き,薄,荻そして葦の生える風景です。


鉄橋を走る電車,釣り人そして風にそよぐ薄と思って撮りましたが,
しかし,これは荻かもしれません。
荻は水辺にあることが多く,地下茎を長く伸ばして増えるので
薄に比べ,茎がまばらに出るのが特徴です。
薄と荻,外見はよく似ていて,区別がなかなか難しいようです。


薄も生えている野原ですが,
これは茎がそれぞれ離れて出ています。
多分,荻と思われます。
いずれにしても薄と荻の判別,正確にはよくわかりません。


こちらは葦(ヨシ)のようです。
薄や荻が根近くから葉を上に伸ばすのに対し,
葉が茎の上のほうからも葉が出ています。
また葉の中央に薄,荻に見られる白い筋がありません。
葉もそれらに比べ柔らかそうです。
そして,荻よりもさらに水際に生えるなど生育環境でも区別がつきます。




上の二つ,小さな用水路の水際にあったもの,
いずれも葦のようです。

川風の荻も芒も揺らしけり
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薄と荻そして葦(1)

2011-10-15 23:23:50 | 花,植物
秋も深まってきました。
野原のあちらこちらに薄(ススキ)が穂を揺らしています。
この時期,白っぽい穂を出す細葉の背の高い草,
なんとなくどれも薄として片付けていました。
しかし,よく考えてみると,
似たような草に荻(オギ)と葦(よし)という存在があります。
どれが薄で,どれが荻そして葦なのか,
野を歩きながら識別を試みてみました。


青空の下,薄が涼しそうに風に揺れていました。
場所は丘陵地のやや斜面となっている荒野,
生えている場所と草の生え具合からこれは薄と思われます。
青空には薄がよく似合います。


同じような丘陵の空き地,こちらは薄日さす曇り空でした。
左上に群がって穂を出しているのは薄,
薄は地下茎が短く,そこから密集して茎を出すので,
一つの根からたくさんの茎が出ているように見えます。
右側にあるたくさんの穂,穂の姿が左上の薄とは違うように思えます。
根元が確認できないのでよくわかりませんが,これは荻かもしれません。


セイタカアワダチソウの花が黄色を帯びはじめていました。
薄とセイタカアワダチソウが共存し,
それぞれのポジションを保っているようです。
このように一ヶ所から茎が集中して出ているのが薄の特徴になります。


白い薄に並んで紅い穂の薄がありました。
よくみるとこの紅,薄の花のようです。
花といっても花びらではなく,
雄蕊と雌蕊だけの花です。


少しステージが進んだ薄,花穂は尾花となり,種ができはじめます。
さらにアップにして見ると,
その種に「のぎ」と呼ばれる一本の糸のようなものが確認できます。
この「のぎ」は薄だけに現れ,穂で薄と荻を見分ける重要ポイントです。

明日は荻と葦を載せます。
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紫苑(シオン) と東京スカイツリー

2011-10-14 21:51:42 | 風景

道端の花畑,
草丈の高いキク科の花が道路にはみ出すように咲いていました。
音も字も花も美しい紫苑(シオン)です。


風に倒れ,道にはみ出ているこの草を見ると,
なぜこんなにも背が高く生まれてしまったのかと
少し残念に感じます。
狭い日本,狭い庭には矮化した植物のほうがやはり重宝です。


そして,「寒晴やあはれ舞妓の背の高き」(飯島晴子)
という句をなぜか思い出します。
手足が長く洋服はよく似合う長身の美人も,
着物そして髪を結い飾り物をつけ,
ぽっくりを履く舞妓姿は,ますます背が高くなり,
なにか「あはれ」なのです。
背が低くて残念な思いをしている人もたくさんいるのに,
世の中,難しいものです。


背が高いといえば,643mの高さとなった東京スカイツリー,
秋を向かえ,東京の西,ここ稲城から,
40kmほどの距離になるでしょうか,
東京も東部のスカイツリーが見えるようになりました。
並ぶ建物はほぼ中間点の新宿のビル群,
昨年12月にここから見たときはそのビル群と
ほぼ同じ高さに見えたスカイツリー,
今は格段に高く見えます。

犬の来て見上げて吠える紫苑かな
紫苑にもやさしく吹くは秋の風
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女郎蜘蛛

2011-10-13 20:59:22 | 昆虫

道横の木陰に大きな女郎蜘蛛を見つけました。
秋も本格化すると毎年目につく女郎蜘蛛です。
今年も公園の森の中をちょっと歩くだけでたくさんの女郎蜘蛛を見ました。
それにしても腹部の色彩,模様,まるで刺青をしたようです。
細かく描かれた鮮やかな模様,アートと言ってもよいように思えます。
この個体は赤と黄緑色と黒の色彩のアートです。


女郎蜘蛛は春に孵化して,7~8回の脱皮を繰り返しながら,
徐々に大きくなり,秋に成熟期をむかえます。
秋になると女郎蜘蛛をよく見るのは成熟し,
目立つようになるからのようです。
写真は雌どおしでの共食いしているようです。


雌に比べ,雄はかなり小さく,1/3以下です。
写真,蜘蛛の網の中央にどんと構えた雌に対し,
下のほうにいる小さい蜘蛛,子供ではなく雄です。
雄は交尾した後,雌に食べられてしまうことも多いようです。




腹部の模様,色は個体によりそれぞれ違い,
同じ雌でも大きさが違います。
上記の写真,いずれも雌ですが,それぞれ大きさ,模様。色が違います。
ちなみに腹部が丸く太っているのは卵を持っている個体のようです。


写真,今年の2月,埼玉の北本自然観察公園で
蜘蛛の卵なるものを撮ったことを思い出しました。
これが女郎蜘蛛のものかどうかは定かではありませんが,
こんな卵を残し,大きな雌も小さな雄も晩秋から初冬に命を絶やします。

白昼の闇を彩り女郎蜘蛛
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ミヤマアカネとトノサマバッタ

2011-10-13 00:11:27 | 昆虫
旅行で3日ほど休みましたが,
今日からまた開始します。

秋もすっかり深くなり,
アカトンボの季節です。
翅の中ほどの褐色の帯が美しい雌雄のアカトンボを見つけました(9/24)。


調べてみると深山茜(ミヤマアカネ),
深山と名がつくのでひょっとしたら平地では珍しいのではと思いましたが,
平地にも普通に見られるとのことです。
上は雄の写真,流れのある小川の岸辺の石にとまっていました。
こんな場所にいることが多いアカトンボのようです。


上はミヤマアカネの雌,
水辺からかなり離れた場所,畑のネギの葉にとまっていました。 
近くには水田も見ありませんのでなぜこんな場所にいたのか疑問です。


連結して,水辺そばの草の中に休んでいるカップルもいました。




時は少し前,多摩川の河川敷を歩いていると
草の間から次々にバッタが飛び上がります(9/18)。
顔や脚が緑色のものと褐色のもの2種類います。
緑色のものだけがトノサマバッタと思っていましたが,
トノサマバッタには緑色型と褐色型があるとありますので,
両方ともトノサマバッタのようです。

小さい頃,家の周りの草原で,
きりりとして姿形のよいこの緑色のバッタをよく追いかけていました。
草原が少なくなってきたせいか,
ここ最近は姿をほとんど見ないトノサマバッタです。
いるところにはまだこんなにたくさん存在しているようです。

土手の道 行けば殿様バッタ跳ぶ


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