顎鬚仙人残日録

日残りて昏るるに未だ遠し…

水戸の萩まつり

2016年09月02日 | 水戸の観光
9月1日から20日までの萩まつり、秋の気配を萩の体内時計がまだ感じていないのか1日現在では開花が遅れています。期間中は萩のライトアップ(毎日21:00まで)や野点茶会、雅楽、俳句会など風流な催しが予定されています。

偕楽園の萩は、1842年の開設時に9代水戸藩主徳川斉昭が仙台藩から頂いた宮城野萩がメインで、その他に山萩、江戸白萩などあわせて5種類、まとめて植えられた群(むら)という大きな群落が150あります。
観賞用に植えたというのは表向き、実際は軍馬の飼料、そして萩の茂みが戦の際に兵の動きを敏速にする目的があったともいわれています。

東門の見晴亭の入り口に蝉の抜け殻、周りを見渡しても出てきた地面が見当たりません。相当の長い距離をこの目立つ場所まで移動して脱皮、それまでに4~5年の間、暗い地下で幼虫時代を過ごしていましたが、やっと成虫になり明るい世界に飛び立ってひと夏の短い生涯を終えました。

大風に折れたる萩もなかりけり  長谷川櫂
空蝉のふんばつて居て壊はれけり  前田普羅