顎鬚仙人残日録

日残りて昏るるに未だ遠し…

梅まつり2月18日スタート

2017年02月15日 | 水戸の観光

今年は2月18日が土曜日のため、水戸の梅まつりはいつもより2日早く幕を開け、3月末まで開催されます。2月7日現在の開花状況は、偕楽園 737本(全体の約27.4%)、弘道館 220本 (全体の約35%)で、すでに園内の準備も完了し、花もいい状態で開幕を迎えられそうです。偕楽園の南斜面、正岡子規の句碑付近は、いつものように早めに咲き始め、すでに見頃の感じです。

咲き出した偕楽園と弘道館の梅を少しご紹介、まず「田毎(たごと)の月」です。
梅の名前には月が付いているのが多いなかで、「満月」、「滄溟(そうめい)の月」とともに明治時代に「月三銘花」とされていました。多分、棚田の一つ一つに映る月のイメージで名付けたのではないでしょうか。端正な野梅性の花、良果結実品種です。

同じ三銘花の「満月(まんげつ)」、野梅性一重の花です。咲き始めに花弁が重なって丸い月のように見えることから付けられたということですが残念ながら開きすぎていました。1890年(明治23年)昭憲皇太后行啓の際に造られた御成門には、門の両側にその時植えられた「満月」の古木があります。

二名匠の碑近くの「道知辺(みちしるべ)」も 野梅性一重。名前は花の美しさから目立つので付いたのでは?淡紅色の可憐な花で、仙人お気に入りの一つです。花の大きさ、色、蕊ともバランスが取れ、園芸界でも人気の品種だそうです。

珍しいので人気の「てっけん(麗+阝と懸)梅」も東門中央通り沿いに咲き出しました。花弁が退化し、蕊と萼だけの花ですが、実はたくさんつける野梅系、園内に何本もありますが、花が地味のため咲き終わったと思われ、説明がないと見過ごされてしまうかわいそうな梅です。お茶の道具、茶筅に似ているので、別名「茶筅梅」ともいいます。

最近来園者の評判のいい「藤牡丹枝垂」、枝垂れの八重咲きならこの花と言われるくらい園芸界でも人気の豊後性の梅、蕾の先は紫色ですが、開花すると花弁は淡い紅色となる可憐な姿です。

さて弘道館では、売店前の「臥龍梅」、幹は横に寝てしまった老木も満開です。山村暮鳥の詩集「雲」に、『こんな老木になっても 春だけは忘れないんだ 御覧よ まあ、 紅梅だよ』という詩がありますが、紅梅ではなくても、まさにそのものです。

その隣には、水戸の六名木の「白難波」(正確には「難波白」と図鑑には載っていますが水戸では白難波で通っています)です。白がより白いと感じられ花で青空をバックにするとそれが際立ちます。雄蕊の一部が花弁に変異した旗弁現象がよく見られます。

白梅に昔むかしの月夜かな  森 澄雄
梅かをり女ひとりの鏡冴ゆ  桂信子
梅二月茅葺き替えし表門  顎髭仙人