山林をそのまま公園にした笠間市友部の北山公園は、四季折々の自然が楽しめる人気スポットで、この時期は桜の名所としても知られています。
その一画に水芭蕉がたくさん咲いているという話を聞いて行ってみました。
水芭蕉の花というと、誰もすぐに「夏が来~ると思い出す」のフレーズで6月頃の尾瀬を思い出しますが、図鑑では「水芭蕉は、山間の湿地帯に生えるサトイモ科の多年草で、春になると20~30cmの白い花を咲かせます。」とあり、 本来は春の花で、尾瀬では6月が春にあたりますが、ここ北山公園では3月下旬から4月上旬が開花時期と説明板に書かれていました。
白い花びら状のものは花びらではなく苞(ほう)と呼ばれる葉の変形したもので、仏像の背後に立つ光背(仏炎)に似ているため仏炎苞(ぶつえんほう)と呼ばれています。
水芭蕉の名の由来は、葉の形が芭蕉(バショウ)に似ていて水辺に生えることからきています。
俳句ではなぜか夏の季語、多分雪解けの頃に咲く北国の印象が強いからでしょうか。
湿原の雪解せつせつ水芭蕉 加藤秋邨
仏弟子のごとく居ならび水芭蕉 鷹羽狩行
林の中にはカタクリが花期の終わりを迎えようとしています。間もなく葉も茎も枯れて地下で休眠に入りまた来春桜の咲く頃に顔を出す…、うつむき加減の花のイメージ通りの生き方をします。