顎鬚仙人残日録

日残りて昏るるに未だ遠し…

春が来た…自然はいつものように

2020年04月03日 | 山歩き

新コロナウイルスの蔓延が続き、行き場を失って久方ぶりに近くの野山を歩いてみました。驚いたことに、煙るような木々の間に山桜とコブシが咲きだし、もうしっかりと春の息吹に満ち溢れていました。

ニオイタチツボスミレ(匂立坪菫)でしょうか、普通のタチツボスミレより濃い紫色が目を惹きました。

クサボケ(草木瓜)はバラ科、日当たりのいい土手などに見られます。別名シドミ(蔀)は酸っぱい実を意味する「酸ドミ」が転訛したといわれます。

モミジイチゴ(紅葉苺)は葉の形から命名、初夏に黄色い実がなるので、キイチゴともよばれます。山野の苺ではいちばん美味しい少年時代のオヤツでした。

ショウジョウバカマ(猩猩袴)はユリ科、大酒飲みで赤い顔をした架空の動物「猩猩」とロゼット状の葉を袴に見立てた命名です。

さすがシンビジュウムの仲間でラン科の花、シュンラン(春蘭)は雑木林などでよく見ますが、地味ながら気品のある豪華な花です。

ミツバアケビ(三つ葉木通)は雌雄同株、垂れさがっているのは雄花です。

ウグイスカグラ(鴬神楽)、初夏の赤い実をウグイスが食べる様子が神楽を舞うようだというのが命名の由来とか、薄甘い味はいくつになっても郷愁を誘います。

春の山を彩るヤマツツジ(山躑躅)は、新緑によく似合うまさしく春の花です。

やがてすぐ野山は新緑に覆われる気配がいっぱいです。ウイルスは忘れて、ウグイスの初鳴き聞きながらつかの間の清涼感を満喫できました。
医療関係者のご苦労は察するに余りありますが、社会に貢献できなくなった世代のできることは「3密」を避けて、極力ご迷惑かけないように注意するしかありません。