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サツキは雌しべが1本で雄しべは5本、花は5弁ですが根元が合着している合弁花です。
通常の姿は写真の右の花のようになります。左の花は、雄しべに白い旗のような小さな花弁が出ています。
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雄しべの片側は花弁化して、白い花糸状のものと濃い色の葯は、雄しべから花弁に変化しつつある痕跡を残しています。
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もう完全に八重化していて、雄しべの姿は見えず、雌しべ1本だけが立ち上がっています。
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公園の白いサツキにも旗弁が出ていました。
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そもそも「旗弁(はたべん・きべん)」とは、マメ科の花の一番目立つ大きな花弁のことで、“ここに美味しい蜜があるぞぉ~”と植物を呼び寄せる旗の役目をしているといわれます。
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いろんな植物で雄しべが花弁になっていく現象もこの「旗弁」ということが多く、これが進んで八重の花になるともいわれています。ムクゲ(槿)にも多く見られます。
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この梅の花は、偕楽園の「紅千鳥」です。旗弁があたかも紅い千鳥が飛んでいるようだというのが命の由来とされていますが、松崎睦生著「水戸の梅と弘道館」には、旗弁が多くみられ不揃いな花冠が千鳥足のようだという命名説が載っています。
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秋に咲く「十月桜」に見つけた旗弁です。
桜には旗弁が多数出るのもあり、荒川堤には名前にもなった「旗桜」があるそうです。
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ヤブカンゾウ(藪甘草)の花糸と葯が完全に花弁の一部に取り込まれています。
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サザンカ(山茶花)やツバキ類にも旗弁はよく見られます。
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植物は進化していく過程で、葉が萼片や花弁、雄蘂のような花の器官に変形していったとされています。種を残すために昆虫を呼び寄せたり、雄しべや雌しべを守る役目の花弁を増やすのは、植物にとって新たな進化の一歩なのかもしれません。身近な植物でその兆しを見つけると、なぜか嬉しくなってしまいます。
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