日本3名園の偕楽園の本園は約13haで洪積層の水戸台地上にあり、その周辺を取り巻く千波公園、桜川緑地、逆川緑地、西の谷緑地公園などを合わせた広域の偕楽園公園となると何と300ha、都市公園としてはニューヨークのセントラルパークに次いで世界第二位の面積になります。
そのうち偕楽園本園に隣接する一帯の偕楽園公園は、桜川と沢渡川が流れ込む沖積層の水辺に位置するため、いろんな名前の付いた橋が架かっており、「水戸」の名にふさわしい雰囲気を見せてくれます。
猩々橋 ① この橋の南側にある小高い丸山の上に、2代藩主光圀公が中国の詩人陶淵明を慕い「淵明堂」を建て、酒を愛した詩人を偲び、堂の壁に猩々(しょうじょう)の絵を描かせたので別名「猩々堂」とも呼ばれた故事に因んで名づけられました。沢渡川を渡る第1~3桜川駐車場へのメインルートです。
窈窕橋 ② 窈窕(ようちょう)とは奥深い山水の景のこと、光圀公はお気に入りだった緑ヶ丘という台地に高枕亭という茶室を建てて詩歌を楽しんだと伝わります。その台地に至る坂を窈窕坂と呼んだことに由来します。猩々、窈窕梅林から桜川を渡って月池方面に向かいます。
花追橋 ③ 田鶴鳴梅林と猩々梅林を結んで沢渡川を渡る橋です。次から次へと花を追いかけながら渡ってしまうというような命名でしょうか。
丸山橋 ④ 猩々梅林から丸山の南側にある大きな屋根の偕楽園公園センター方面に向かいます。左側には緑ヶ岡の深い森が茂っています。
渡月橋 ⑤ この一帯の整備時に造られた月池に架けられた橋でいろんな水鳥の楽園です。「風の鼓動」という芸術作品が目を惹いていましたが、劣化のため一昨年撤去されてしまいました。
梅郷橋 ⑥ 桜川をここで渡ると四季の原という広い芝生広場が拡がります。
春秋橋 ⑦ 好文橋下の駐車場から桜川を渡ります。
月池橋 ⑧ 月池から千波湖への流れに架かる橋、袂には大きなオニグルミの樹があります。
新坂橋 ⑨ 桜川沿いの低地より見川城脇の好文橋に上がる坂道手前の橋です。
梅林小橋 ⑩ 新坂橋の上流にありますが、この辺になると訪れる人もまばらです。
蛍橋 ⑪ ホタル生息地の蛍谷に架かる橋、木製の遊歩道が整備されています。
湖畔橋 ⑫ 月池から桜川と千波湖への流れの分岐にある小さな橋、近くには水戸黄門像、斉昭公と七郎麿像があります。
城址橋 ⑬ 江戸氏時代の中世水戸城の支城、見川城址に上がる橋で、城址には堀や曲輪の跡が残っています。
田鶴鳴橋 ⑭ 旧6号国道が桜川に架かる橋です。偕楽園が造られた当初、水田だったこの付近に3種の鶴が放されたことに由来します。この一帯の4.7haの梅林も田鶴鳴(たづなき)梅林と名付けられ約360本の梅が植えられています。
左手より沢渡川が流入しています。
偕楽橋 ⑮ 千波湖畔の観光バスなどの駐車場から桜川、常磐線を跨いで常磐神社、偕楽園に至る長いスロープです。
梅桜橋 ⑯ 常磐線を超えて偕楽園と桜山駐車場を結ぶエレベーター付きの跨線橋です
好文橋 ⑰ 梅が丘通りと御茶園通りを結ぶ好文橋通りの高い橋です。
「好文」とは、晋の武帝の故事「文を好めば則ち梅開き、学を廃すれば則ち梅開かず」より付けられた梅の異名、偕楽園内の好文亭も因んで命名されました。
これからの季節、この一帯はいろんな春の色を織りなして、自粛生活につかの間のやすらぎを与えてくれることでしょう。
※コメント投稿者のブログIDはブログ作成者のみに通知されます