映画・山歌サンカ・山窩
サンカ・山窩は、日本にかつて存在したとされる放浪民の集団だ。本州の山地に住んでいた。呼称は警察による便宜上のもので、差別用語らしい。財産も戸籍も持たず、ときに蔑まれ、ときに自然の恵みを一身に浴び、生きるために生きた山窩。この映画はまるで日本のラストサンカを描いているようだった
ざっくりストーリーかつて日本の山々に実在した山窩・サンカと孤独な少年の心のふれあいを描いた人間ドラマ高度成長期の1965年。受験勉強のため、東京から祖母の田舎に帰ってきた中学生の則夫(主人公)は、山から山へ漂泊の旅を続けるサンカの家族と出会う。一方的な価値観を押し付けられ、生きづらさを抱えていた則夫は、既成概念に縛られず自然の一部として生きている彼らの姿に魅せられていく。受験勉強を強いられている自身の境遇と経済成長を至上命題とする彼の父を思い苦悶・・・これまで「正しい」と教えられてきたことに大きな疑問を抱いた則夫は、ある決意を胸に秘めて事件を引き起こす・・・混乱の今、これまでを問い、これから何が大切かを考えさせられる物語であーる
かつて日本に実在していた山の漂泊民・山窩サンカは、山から山へ。川漁と竹細工で生計を立て、川べりにテントをはり、財産も戸籍も持たずに流浪の旅をつづけ、自然のなかで生活を営んできた⛺
しかし、そのほとんどは高度経済成長期に姿を消し、一般社会に溶け込んだといわれている。押しよせる時代の波・・・
サンカの少女・ハナ役の小向なるさんは、北海道出身だオーディションで選ばれた期待の新人本作品の役作りのためにトレイルランをはじめ、身体能力を高め撮影に挑んだとか。実際ナイスな山岳走りだった
あるんだよ人間だけが見えない世界が・・・久しぶりに奥深く、とても考えさせられる映画だった
歌うことは訴えること。伝えたいという笹谷監督の願いで山歌と名づけられた初長編映画
監督・脚本・プロデューサー=笹谷遼平/2022年製作/77分/配給:マジックアワー
登山も考えるのではなく感じて登るのが一番だ 情報や便利なモノが溢れる今だからこそ、心を穏やかにして山に向き合いたいものだ・・・MS組合用務で遠出山行できずストレス溜まる今日この頃・・・
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