「今日はイケるような気がする!」
全てをこのレースに万全を尽くしてきた
ヨシオ君とヤマガミさんの気迫がそんな気持ちにさせる。
8位までに入れれば、必要なポイントが貰えるのだそうだ。
予選で10位なので、かなり可能性は高い。
車両のチェックを受け、いよいよレース開始。
12周の熱き戦いに挑む。
スタート時点で3つ順位を落とす。
「落とす」と言うより、団子状態のスタートでは仕方がない部分。
ずっと13~14位をキープしながら、
10周目くらいで2位・3位のマシンが接触転倒でクラッシュした。
この事故現場をヨシオ君がうまくかわす事ができれば、
必然的に順位が上がって10位以内に入れるかもしんない!!
「よっしゃー!こっから大逆転だぁーーーー!」
心の中で軽くガッツポーズを決めようとした時、
ヨシオ君がその事故現場でこぼれていたオイルでスリップで転倒・・・。
その後、後続車10台がスリップダウンするという前代未聞の
大事故になってレースは終了した。
「エ~~~~~~!?」
パニックになった場内に「?????」マークが走る。
マシンには少し被害があったが、カウルが壊れたくらいで済んだし、
なにより事故に巻き込まれた全選手が、奇跡的に怪我などを
することがなかった・・・それだけが救いだった。
(上手にコケるのも技術だから、今考えれば
それだけレベルの高いレースだったのだと思う。)
最初の転倒でオイル漏れがあったのだから、
その時点でレッドフラッグで即中止にするべきだったと、
主催者側の落ち度を指摘する声もあったが、
ヨシオ君が転倒した後にしか、レッドフラッグは振られなかったのです。
レースの結果は14位・・・結果は結果として記録されることになった。
欲しかったポイントには、少し足りなかったけど、
どんな結果であれ、気持ちを切り替えて次に挑むしかない。
今回は「もらい事故」ということで、
「自分の努力でなんとかなる」範囲を超えていたので、
次に向けて気持ちを切り替えるしかないのだと思う。
(偉そうにすんません、でも本当は、すんげ~悔しかったッスね!)
事実は小説より奇なり・・・
現実ってのは映画のようにハッピーエンドにはしてくれない
・・・実に「酷」ですね。
ゆっくり・・・撤収作業をしながらクールダウン。
レース場の去り際に、ホンダのコレクションホールに立ち寄った。
バイクや自動車の歴史的名車や、歴代のレースマシンの
展示された建物だ。
このコレクションはHONDA車だけでなく、
各社の車もきちんと一緒に展示されてるところに、
本田宗一郎さんの「夢」
・・・まさにドリームが詰まってるようで好感が持てる。
もともと、バイク一台から始まったHONDAのサクセス・ストーリーと、
ボロRTハインズワークスの背中が重なって見えた。
「夢こそが、私たちのエンジンだ」
ホンダイズムの一言だが、まさにその通り!
今回のレースは残念だったけど、挑戦することをやめない限り、
闘うことをやめない限り・・・夢は必ず叶うのだぁー!
エンジンの炎を消すなぁー!
夢は掴むものなのだぁー!
絶対勝つ方法は、勝つまで絶対やめないことなのだぁー!
元気があればなんでもできるー!1・2・3・・ダァー!
「・・・そんな熱い気持ちで、僕と一緒にホルモンを焼いてみないか!」
打上げは福島県の郡山で、この前のGWに食べて感動した
ホルモン焼き屋さん「元祖 ほるもん道場」に決定していた。
「日曜日だから予約しなくても大丈夫でしょ?」
って行ったがタイミングが悪かったようで、6人座れる席が
空いていなかった為、暫しパチンコ屋さんで時間を潰す。
パチンコをあまりというか、まったくやったことのない
ボロ監督が2千円で爆裂。
「その運を・・・レースに使えよ~!!」・・・の大合唱
でも・・・本日のホルモン焼きが美味すぎたから許す!(笑)
そして全員で「ウメ~~~~~~~~~!」の大合唱。
>おまいらヤギか?羊か?
「うん、うん、美味い、旨いよ~、馬すぎるよ~♪」
>馬刺しが有名な福島、馬も馬い。
物凄い煙で店内がちょっとしたボヤ騒ぎな状態になる頃には、
お腹も満腹、満腹。
あれだけ食って飲んでお勘定はなんと!?ひとり5500円。
「値段も安すぎ・・・す、す、素晴らしィ~~~~~!」
前回もそのキュートな笑顔にオジさん達のハートを
鷲掴みにしていた、このお店の看板娘、
[ホルモン界のハニカミ天使]こと、アンナちゃん(高2・17歳)に、
「また来るよ!おじさん達・・また来るからね~!」
もう高校生くらいの子を見ると「自分の娘」とまでは言わないが、
美しい花を愛でるような感覚なのです。
~俺たちもいい加減、オジさんになってしまったよな~
店を出るとバイト終わりのアンナちゃんと一緒になった。
お母さんが迎えに来てるとのこと・・・よくよく考えると、
お母さんの方が年近いんじゃないのだろうか?
「悪い男に捕まっちゃだめだよーーーーーーー!」
思わず・・・ホルモンの中心で愛を叫ぶ!(笑)
帰りの車中ではすっかり寝てしまい、飲まずに運転してくれた
ユウジ君とハジメちゃんには感謝、感謝。
無事に新潟に帰還したのは、深夜2時。
まるまる23時間遊び呆けてしまったが、
大人が命がけでやってる遊びってのは凄い。
すでに、それぞれの新しい月曜日を迎え、
それぞれの日常に戻っていくことになるのだが、
ヨシオ君をはじめ、ボロRTハインズワークスから、
心の奥にバイクレースという「夢のカケラ」を
心のポケットに入れてもらっていて、
時々、そのポケットに手を挿し入れては、
カタチや温度をニヤニヤしながら確認しながら、
「まさに・・・・The Power of Dreams 」
そんなわかったような、わからないようなことをシミジミと
呟いたり呟かなかったりするのです。
そして僕は確信していることがひとつだけある・・・
「俺たちの明日のジョー」は、きっと夢を掴むだろう。
その姿を僕達は「め」のあたりと書いて
目(ま)のあたりにする日も近い。
(おしまい)