ゆきんこブログ

月刊ガソリンスタンド誌
『変化と試練が、人と企業を強くする』
連載中!

石油流通業界の潮目が変わります

2008年05月14日 08時46分21秒 | Weblog
日本国内では恒常的に余剰で業転安であった石油製品も世界的な原油高とエネルギーバランスの構造変化により大きな曲がり角に立ち至っているようです。

これからは今迄のような「安売り・拡販」商法だけに依存というわけにもいかないはずです。
全体的には限られたパイのなかでどのように基本収益を確保して、しかも企業として健全な発展を目指すのか、石油大手流通企業ではその方向性について何処でも模索しています。

今迄は想像もできなかったような大手によるスケールメリットを生かした企業統合や併合、協業化などが開始されています。

ERPによるシステム構築などが浸透してきますと、本社経営管理コストが大幅に削減できるため、石油流通企業としての採算性も大幅に向上してきます。
仮に経営規模が拡大して流通量が飛躍的に拡大しても、経営管理コストや流通管理コストを逆に減らすことさえ可能となる訳ですから経営的なメリットは絶大です。

このスケールメリットを享受できる経営規模に至るために統合や合併などが行われるわけですが、これはなにもガソリンスタンド業界に限ったわけではなくて、ほとんどの業界で行われている「生き残り手法」であるともいえます。

我々も現在元売りによる販社統合による軽油税納税業務等の経営合理化について数件の問い合わせを頂いており、すでに構築に着手しているところもあります。

石油製品が高騰し、消費が減少しているとはいえ、直売部門などを含めれば需要そのものは底堅いものがあり石油流通ビジネスは当分活況を呈すると思われます。

当面の課題は、リテールの中小販売業者の淘汰が進むという事でしょうか、最近ではこの潮目はどうする事も出来ない時代の流れのように感じられます。
郊外型大型店の出展で拡大しているシャッター商店街のように閉鎖SSが一層増えて来る事になりそうです。

私は、地域企業が生き残るためにはホームエネルギー、特に「灯油」がポイントになると考えています。
エネルギー転換やオール電化が叫ばれているなかで何をいまさらと思われる方がいらっしゃるかも知れませんが、セルフ化や合理化で灯油配送体制の空洞化が全国各地で発生しています。

仮に全国ベースで10%程度の需要減であっても、販売体制が充実している企業では地域マーケット集約により大幅に増販しています。
灯油から撤退する企業をしり目に、最新型の灯油配送ローリーなどを増車したり、中古ローリーを集めてきたり、灯油販売業務の拡大に積極的な企業も増えています。
揮発油税を抜いたガソリンと配送灯油の単価、利幅を考えたら、同じ100㌔㍑でもガソリンと比較して灯油販売収益のメリットは抜群です。

最近では、中小零細業者よりも元売の販社や大手広域ディラーなどが灯油ビジネスに力を入れており、全国における灯油マーケット販売の集約化は急速に進行しています。

「配達」という業務を軸にしての、宅配ビジネスの模索もかなり進んでいることから面白い事になりそうです。
その代表的なものが、夏場における「天然水」などの宅配などでしょう。

まだまだ、新しいビジネスオペレーションが派生する予感ですが、現在では各社とも情報公開の段階ではないようです。
今後、新たな宅配ビジネスフォームをご紹介できる時期が来るはずです。

楽しみですね。