ひとつ前のブログで、「高安の優勝を祈る」と書いたのですが、残念ながら、最後の3敗同士の対決で大の里が優勝。残念でした。でも、今年ここまで頑張れたのだから、次の場所で優勝を期待しています。
ところで、今回の場所で、どうしてもひとこと言いたくなっていたのが、横綱豊昇龍の休場についてです。
「やっぱりっ」、と思いました。「早すぎだ」と思っていたからです。「大関になって連続優勝」することが、横綱になる条件と暗黙の了解があったはずなのに、彼は前回負けて優勝してないのに横綱になったからです。「甘いっ!」
連続優勝は、かなり難しい。飛び飛びに優勝して、していない豊昇龍を横綱にしたのには、「照ノ富士が引退して横綱不在になっていた状況で、10月に20年ぶりの海外公演となるロンドン公演があるため看板力士がほしい状況で、とにかく新しい横綱をつくりたいという思惑がみていた」(ココから)という見方濃厚なようです。
そして、この看板になる力士がほしいという意味では、この「連続優勝にこだわり始めた原因」は、以前に、看板になる力士がほしいがために、時期尚早で横綱にしてしまったことで失敗した過去への反省だったと分かりました。

上の表の3番目にある、双羽黒に注目してみると、何と連続優勝どころか優勝もしていないで、横綱にしてしまった。
これが、苦い経験になったようです。
協会が2場所続けて千秋楽まで優勝争いに絡んだことから横綱に推薦され「稀に見る逸材で将来性の多さが買える」と高評価を与え、「スケールの大きい素晴らしい素質」と押す人もいて、横綱になったそうです。
でも、優勝すらしてない双羽黒を横綱にしたのには、一つ前に横綱になった隆の里が、1984年11月場所怪我やなんやで休場が続き、結局1985年1月に引退していたことで、「千代の富士のひとり横綱状態を防ごうとの焦り」が大きく作用していたようです。
結果は、当時の千代の富士(俗称:ウルフ)が滅茶苦茶強い横綱だったために、双羽黒も健闘はしましたが、怪我などもあり休場したり、幕内になってから優勝したことがないだけでなく、とうとう横綱になっても優勝を手にできず、遂には師匠との対立で部屋を飛び出し、「廃業」してしまったのだそうです。これが、かなりその後の横綱昇進条件に影響を与える事件となったとのこと。
この後、「連続優勝」へのこだわりが生まれ、みると、1990年から2012年までは、「大関になり連続優勝している力士のみが横綱」になっています。貴乃花に至っては、なかなかこの「連続」という条件をクリアできず、7回の優勝経験を経てやっと横綱になったようです。
それが、崩れはじめたのが、鶴竜、稀勢の里あたりでした。
そのほぼ連続優勝に近いと判断されて、優勝した鶴竜が横綱になって、さらに日本人力士の横綱が待望される中で、鶴竜に続いて稀勢の里が連続優勝ではないのに横綱になり、なんと4人の横綱となったのが、2017年でした。

そして、そこで何が起こったというと・・・
ひとつ前のブログで「一瞬でチャンス」を大切に活かす話を書いたのですが、その逆のことが起きたのです。
2017年に横綱だった日馬富士が起した暴行事件で、その一瞬の判断で起した暴力で引退となったことで、4人もいた横綱時代に終わりを告げたのでした。私ですら記憶に残っているので、これは双羽黒の問題に続き、相撲界の2011年の八百長事件以来の不祥事として、強いインパクトを与えたことは確かです。 ここで、1回の優勝などで、軽々に横綱を選んではいけないという戒めになり、横綱が生まれづらい状況を作ったと言えます。 横綱が4人で賑やかに相撲界をもり立てるはずだったのに、その希望はたった5場所で失敗に終わったのでした。
そして、それ以降、また「大関で連続優勝した者だけが横綱になれる」という縛りが生まれ、どうなったかというと・・・この2017年に稀勢の里が連続優勝でなく横綱になって以降、該当者がでないまま、年月は過ぎて・・・2021年に鶴竜が引退すると、白鵬が「ひとり横綱になったのでした。
条件が厳しすぎると、横綱がひとりになる事態が生まれ、これも問題になったのでした。
そこで、横綱になったのが、照ノ富士でした。照ノ富士は、大変な努力を積んで、24場所ぶりに大関に復帰した2021年5月場所は前場所に引き続き優勝し、自身初の2連覇を達成。大関復帰場所での優勝も史上初とも言われながら、続く7月場所は6場所連続休場明けの白鵬が好調で、優勝はできなかった為、大関で連続優勝は逃したものの、優勝次点以上の成績だったとのことで、横綱になったのでした。

そうして、横綱に照ノ富士がなったのを見届けるかのように白鵬が引退して以来、照ノ富士は「ひとり横綱」となって、白鵬の引退後2021年11月から20場所も「ひとり横綱」だった上に、照ノ富士の不調と休場が続き、横綱のいない場所まであった~という、相撲界にとっては困り果てた状態が続いていたのが、豊昇龍の横綱を早めに昇進させる大きな要因になったのでした。
相撲ファンではない私の素人調べなので間違いもあるかもしれませんが・・・こうみていくと、なんともはや、思惑で目先のことにとらわれてころころ動いてしまうと、結局 思い通りに事は運んでいかないという典型のような展開を、相撲界は歩んできたように思えてきました。
過去の不祥事で優勝未経験のまま廃業という双羽黒の失敗で、あつものに懲りてなますを吹きすぎて、「連続優勝」にこだわりすぎた。それも問題だったようにも思えるし、逆に、そのこだわりすぎで横綱がひとりになる結果が見えてきた時には、早めにその条件の一部の緩和が必要だったのではないでしょうか。
結果がでてから、焦って決めるのでなく、「連続にこだわらないで、実力を見て条件を調整していき、つねに横綱を2~3人入る状態を保つ条件を、少人数の人たちでなく、多くの意見を広く聞いて、早めからしっかり探っていれば良かったのではないでしょうか?
いま、トランプ米国大統領が選ばれたのも、<あまりに急激に、「完成された民主主義、完璧な公平性」などを進めようとするやり方に対して、ついて行けないと揺れ戻しがきている>いう見方があるらしいです。確かに、黒を全て否定して、いきなり真っ白に反転すると、ついていけない勢力がまた返り咲きを狙ってくるようです。
難しいですが、ガンジーが「良きことはカタツムリの如く進む」と言った有名な言葉があります。全ての人がついてこれるように、物事はみんなでゆっくりと足を揃えて正しい方向にもっていけるように運ばないと、結局は前に進めず、バタバタ試行錯誤にみんなが困惑するような事態になるのかもしれません。
技術の進歩も、加速度がついていますが、無人兵器がAIでどんどん自動運転が増えていきそうな恐怖を私は強く感じています。進歩は、思うさま突き進んで行けばいいというものでもないようです。立ち止まって、皆でゆっくりその技術を周知して、理解して話し合って進めていかないといけない。世の中のスピードをもう少し緩やかにしないといけないと感じます。
相撲の話から、最後は、違ったことに話がむかってしまいましたが、何か、少し今の世の中にブレーキをかけて、冷静にみんなでみつめて進める道をみつけていきたいと思えたことでした。