野球少年は夢を見る…MLB篇

Major League Series 2022

斎藤、3試合連続無失点!(29日・ペトコパーク)

2006-05-19 21:30:14 | Los-Angeles Dodgers
 メジャーリーグ・デビュー以来、8試合連続無失点。1試合被弾して、無失点は途切れたが、ここ2試合無失点が続いている、斎藤隆(ロサンジェルス・ドジャース)。防御率(ERA)は「0.75」。誰も予想だにしなかった好成績が続いている。今や「名門」ドジャースの押しも圧されぬセットアッパー。クローザーに昇格する日も近い……

 4月29日、サンディエゴのペトコパークで行われた、サンディエゴ・パドレスとの一戦。ドジャースが「4対2」でリードの【8回裏】のマウンドに斎藤は上がった。背中に背番号(だけ)「44」。
 先頭の代打「E.Y」エリック・ヤングに初球=91MPHでストライク。2球目のスライダーは曲がり過ぎて、3球目の93MPHは際どくアウトサイドに外れて「ボール」。微妙な判定だ。納得がいかないのか間を置く斎藤。3塁側ダッグアウトのグレイディ・リトル監督も顔を掻いて、球審を冷ややかに見つめている。
 4球目の92MPHは逆球になって、シュート回転するが、これが「ストライク」の判定。今度は打席のヤングが白い歯を剥き出しにして笑っている。斎藤が帽子を取って、汗を拭って、投げた最後の球は91MPH! これをヤングが振って空振り三振! 

 1番デーヴ・ロバーツには初球、真ん中高めに93MPHを決めて、打席のロバーツが驚きの表情でマウンド上の斎藤を見つめる。2球目(93MPH)でファウルを打たせ、3球目(93MPH)で詰まらせ、平凡なレフトフライ。
 2番ブライアン・ジャイルズにはアウトサイド低めでストライクを先取し、2球目も同じくアウトサイドに今度はスライダー(現地ではブレーキングボール)を配して、早くも「0-2」に追い込む。3球目、大きく深呼吸して、93MPHでファウル。4球目のスライダーがアウトサイドに際どく外れて、どよめく観衆(44,337人)……
 さすがにメジャーリーグの観客の1球1球に対する集中力は凄い……こんな観客の中で投げられる斎藤。無上の幸せを噛み締めつつ、ラストボールもスライダー、今度は「ストライク」がコールされて、その瞬間、斎藤は小さくガッツポーズ! 一声吠えて、肩を怒らせながら、3塁側ダッグアウトへ戻って行った。この気迫、凄まじい……

【9回裏】はクローザーのキューバからの亡命者=ダニス・バエスが3人で抑えて、ゲームセット! ドジャースは本来のセットアッパーのイエンシー・ブラゾバンと、クローザーのエリック・ガニエをDL(故障者リスト)で欠き、ブルペンが崩壊「危機」だったが、開幕前に獲得したバエスと日本からやってきた「救世主」斎藤の二人の活躍でチームの体裁を保っている。“ドジャー・ブルー”が再び、日本人の「馴染み」になりつつある。

斎藤、3戦連続の無失点リリーフ 5割復帰に貢献 (MAJOR.jp)