GPzのスタータリレーは何故かバッテリーと共にお亡くなりになる。
最近、セルボタンを離してもセルが回り続ける異常が何度か出ており、数ヶ月置いた後の再始動時に起きることが多い。正直、いつ壊れるか?と気が重い。
そこで、2005年頃にバッテリーと共に交換したスタータリレーをバラしてみた。
その前のバッテリー交換時に同時交換したはずで、4~5年使用というところ。
走行距離はたかが知れているので、新品同様に綺麗な代物だ。
きちんとかしめられているので、頑丈なニッパを使って大胆に破壊活動を行う。四苦八苦すること小一時間で、電磁石と接点の部分に分離できた。
防水処置が徹底されており、端子部にはOリングが装着されていた。
そのお陰で内部は新品同様に美しい。
電磁石の部分は、画像の通り一見これ以上手が出せそうにない。
Oリングがここにも入っているので、まだバラせるのだろうが。
動作状況を確認してみた。
12Vを直結すると、磁力できちんと真ん中の棒が引っ込む。ここは問題が無さそうだ。
ちなみに12Vを離した瞬間にバネの力で真ん中の棒が飛んでいくので、指で押さえておくこと。
リレーの仕掛けは以下の通り。
非通電時は電磁石側の棒が下側のバネに押されて中央の端子を押し上げ、接点は離れる。
通電時に下側の棒が電磁石に引き寄せられると、中央の端子が背後のバネに押されて、両側の端子とつながりセルへ通電する。
動きか、接点の荒れが問題のようだ。
予想通り接点の面が荒れていたが、この程度で?と思いながら、1000番の耐水ペーパで磨いてみた。
組み上げで通電してみたが、セル側は通電しない・・・
駄目な物は駄目なのか???
スイッチ部分を指で押しながら導通チェックしてみた。
すると、導通が出たり出なかったりしてスイッチの動きが極端に悪い。
端子のナットを緩めるとスムーズに動くようになったが、これでは拙い。
スイッチ部分を良く良く見ると電磁石側の棒と接触する白い樹脂の部分にやけに大きなバリが出ている。ホットボンドか接着剤のカスかと思っていたが、どうやらコイツが接点の間に入り込んで接触不良になっているらしい。
ナットを緩めるとガタが出た分うまく逃げて導通するようだ。
画像は左側のバリを取ったところ。
バリを取って組み上げるとリレー動作もOKとなった。
推定原因だが、電磁石は数秒で暖かくなるくらい発熱するので、長い時間通電すると樹脂が熱で柔らかくなって変形するのではないか?
バッテリ電圧が低下したり、数ヶ月ぶりの再始動は電磁石の作動時間がやたら長くなる。バッテリーが力尽きかけてから、車からジャンプして景気よくセルを回し続けたのが致命的だったのだと思われる。
水槽のCO2供給制御に使う電磁石を使ったリレーは80度以上に発熱しても正常動作し続けるが、スタータリレーは耐えられないようだ。
左側が今回修理品で、右側が10年以上前に交換したもの。こいつは長持ちした記憶がある。さすがに汚いが、引き続きバラしてみる。
中の部品が若干違った。電磁石も違うようで接点稼働用の棒が短い。通電すると最初は動かなかったが、指で押してアシストしたらカチカチと動くようになった。
問題の接点はこんな感じ。
同じように荒れているが、樹脂が溶け出す事態にはなっていない。
こうあるべきだ。
接点の荒れを耐水ペーパで取って、通電させるとカチカチ小気味良く動作して復活した。
最初動かなかったのが気になるが、こちらも使えるようになった。
修理完了した2個。
そう簡単に壊れる部品ではないので、一生持つのではないか?
類似品が幾らでもあるので、純正欠品になっても一向に困らない部品ではあるが、予備がこれだけあれば心強い。
最後に写真を撮っていて気付いたが、実は型番が違う。
互換後継品だと思うが、劣化コピー品が供給されるのは勘弁して欲しい。
天下の日立製なのだが!