活版印刷紀行

いまはほとんど姿を消した「活版印刷」ゆかりの地をゆっくり探訪したり、印刷がらみの話題を提供します。

湧水をあとに直行したのは鰻屋でした

2011-01-08 15:39:59 | 活版印刷のふるさと紀行
 前回紹介した柿田川の湧水にもここに至るまでいろいろ苦難があったらしいのです。
というのは、毎秒12トンも湧き出すこの世界一の水質の湧水が一時は繊維工場の独占するところとなり、薬剤や汚染した廃水処理で魚も住めない死の川になっていたといいいます。

 そこで地元の人たちが両岸の土地を買い、いわゆるナショナルトラスト運動を展開して
23年の歳月をかけて現在のような清冽な柿田川を蘇らせたのです。イギリスなどでナショナルトラストの土地に接したことはありますが、日本での事例は知りませんでした。
なんでも、昭和63年に日本で2番目のナショナルトラスト「公益法人柿田川みどりのトラスト委員会」が設置され今日に及んでいると聞きました。

 湧水や周辺の自然を目にする展望台は第1から第3までありましたが、写真は第2展望台ののぞきこんで見た直径4メートルほどの湧水井戸、コンコンと湧き出る青い水にしばし見とれてしまったほどです。

 途中から幸い雨はすっかりあがってきました。
 神田川大曲塾の面々の次なる目的地は三島の鰻の代表格の「桜家」、店の脇を流れる湧水でしめた味は抜群です。この店で旧友中川和郎氏に登場願って三島の歴史を拝聴。
彼も三島市内を流れる川の水質浄化に取り組んだひとりです。
「三島女郎衆ァノーエ」まさしく富士の白雪は溶けて流れて三島に注いでいました。



 
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三島の水と富士山

2011-01-08 10:52:29 | 活版印刷のふるさと紀行
 沼津の2日目は雨でした。神田川大曲塾の塾生には愛酒家が多いので前夜の宴会のせいでしょうか。
 「小雨決行」というわけで、向かった先が「柿田川」、ちょうど三島と沼津の中間の清水町の柿田川公園でした。
 富士山が造った東洋一の湧水が売り物ですが、聞けば川幅がせいぜい40メートル、総延長が1200メートルというかわいらしさ。

 でも、これが全部、富士山系の伏流水なのです。
 富士山周辺に降った雨や雪が、かの8500年前の大噴火の名残の溶岩の間を地下水となって縫って流れ、ここでコンコンと湧水となって湧き出てかわいらしい川になっているのです。1日の湧水量は100万トンと聞きましたが、どのくらいの量か私には見当がつきません。

 写真の展望台から川面を眺めると、あちこちで水が湧き出しているのがみてとれます。
それにしても、公園内を歩いて行くと水辺の草花や頭上の木々の緑の美しさに心打たれます。自然や生態系を守り続けている清水町の人たちには頭がさがります。

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