活版印刷紀行

いまはほとんど姿を消した「活版印刷」ゆかりの地をゆっくり探訪したり、印刷がらみの話題を提供します。

書体とデザイン

2011-01-22 10:22:16 | 活版印刷のふるさと紀行
  秀英体100の案内リーフに杉浦康平さんが寄せている文章をひかせていただくと、
「秀英体明朝には、他の書体に例をみない、きっぱりと冴えた勇気がある。黒々と太い一点一画が、この書体を特徴づける。…」ではじまり、「四十年前、この書体に出会い、一目で惚れ込み、使い始めた」とあり、会場で季刊銀花のポスターをじっくり拝見できました。
 
 また、会場に入って平野甲賀さんの本の奥付を題材にしたポスターの前に立ったとき、私の頭の中をひとつの疑問が走りました。
私は本を買うとき、まず、奥付を見る癖があります。「初版だろうか」「何刷りだろうか」「印刷会社はどこだろうか」と。
 もっと以前、検印時代には、著者の検印のデザイン趣向まで確かめたものでした。
 いま、電子書籍の奥付がどうなっているのだろうか、ペラペラと確認できるのだろうか。平野さんはデジタル書体をどのように受けとめておられるだろうか。
 平野さんのすっきりしたそれでいて格調高く、ちょっぴりクラシックな奥付デザインに活字や書体への愛情をずっしりと感じるだけに。

 その平野さんのお隣に浅葉克己さんのポスターがありました。写真の夏の文字が読み取れる作品です。さすがタイポグラフィの大御所のデザインです。また、会場中ほどには
勝井三雄さんのポスターがありました。浅葉さんといい、勝井さんといい、私の知る限りつねに、デザインワークの中で書体の選択に驚くほどの神経をつかっているデザイナーです。こうしたみなさんに「書体と私のデザイン」といったレクチュアーをうかがう機会があればと思います。写真はいずれもGGGの展示からです。 
コメント
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