活版印刷紀行

いまはほとんど姿を消した「活版印刷」ゆかりの地をゆっくり探訪したり、印刷がらみの話題を提供します。

秀英体の改刻の話

2011-01-20 11:17:24 | 活版印刷のふるさと紀行
 前回のトークショー『平成の大改刻の道のり』のつづきです。
パネラーのチーフは株式会社朗文堂の代表の片塩二朗さん。写真の『秀英体』(大日本印刷)の著者ですが、活字についてはもちろん、洋の東西の印刷史に通じておられ、私自身も本木昌造や平野富二など明治の印刷人について教えられたことがたくさんあります。
 その片塩さんはトークショーでは秀英体概論を話されましたが、実際には平成の大改刻の
プロジェクトの監修をつとめられました。

 では、ほかのパネラーはといいますと、実際に秀英明朝L・M・Bと丸ゴシックの開発を担当された字游工房代表の鳥海 修さん、秀英初号明朝と角ゴシックの開発を担当されたリョービイマジクスの石岡俊明さんのおふたりに、大日本印刷で改刻のディレクションをされた伊藤正樹が進行役で、全体の道のりを説明すると同時に3人からトークを引き出す役をつとめておられました。

 平成の大改刻なんて大げさなとおもっていたのですが、漢字だけで既に7000字も改刻されたと聞きました。書体の種類、ひらがな・かたかなを加えてその数と作業量を考えるといまさらながらに頭がさがります。

 かつて金属活字の全盛期の「秀英四号明朝」、あるいは「秀英初号」を基本資料に徹底的な検証をはかり、これからの100年、デジタル環境をにらんで新字体開発が進められたようです。




コメント
  • Twitterでシェアする
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする