活版印刷紀行

いまはほとんど姿を消した「活版印刷」ゆかりの地をゆっくり探訪したり、印刷がらみの話題を提供します。

ギンザ・グラフィック・ギャラリー25周年 2

2011-10-07 16:27:37 | 活版印刷のふるさと紀行
 オープニングパーティで最初にスピーチに立ったのがグラフィック
デザイナーの服部一成さんでした。今をときめくというか、新進気鋭の
服部さんは、

《このGGGができたときは芸大の2年で銀座でアルバイトをしていたもの
ですからよく足を運んで来たものです。美術画廊でなくて、グラフィック
専門というのはほかにありませんでしたから、ここで先輩たちの作品に接し、
おぼろげながら「自分もグラフィックデザインの道に進みたい」と思ったものです。
そうして、何年かの後にここで展覧会を開くことができました。
本日、ここにもたくさんの学生さんがいらっしゃいますが、あなたの作品ををいつか
このGGGで拝見できたらと願う次第です》

 このスピーチはうれしいスピーチでした。設立の企画趣意書には最初、発表の場が
ない若いデザイナーの登竜門的なギャラリーにする構想がありました。
 それはともかく、ADCやJAGDA、TDCなど,賞という賞を総なめにして、大活躍の
服部さんのユーモアを交えた親しみやすいスピーチは来場中のデザイナーの笑いを誘い、
会場の学生さんの意欲を鼓舞したようでした。

 そして次にマイクの前に立たれたのは大御所、勝井三雄さん。風邪を押して参加された
ようですが、gggブックスを片手に、

《B全1枚から64ページの1冊に仕上げるというアイデアがいい。ほとんどの
ポスターがオフセットで印刷されてきましたが、4色という制約はあっても同じ
オフセットで克明に原作を再現している点で世界のグラフィツクデザインの歩み
を知るのに好適な100冊になっている》

 この25周年の記念に展覧会名と同じ『100gggBooks 100Graphic
Designers』 というタイトルでgggブックスの別冊(写真右参照)が出ていますし、
電子書籍版も刊行されるといいます。この見逃せない展覧会の会期は今月29日までです。

 
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ギンザ・グラフィック・ギャラリー25周年 1

2011-10-07 11:13:03 | 活版印刷のふるさと紀行
 10月5日の夕方、かなりの雨足の中を銀座に出ました。そのために
急いで房総から帰って来たというわけです。
大袈裟にいうと、「自分の足跡さがし」にです。

 行先は7丁目、ギンザ・グラフィック・ギャラリー。
 GGGの25周年とここで企画展を開いたデザイナーの作品を小冊子
にしたgggブックス100タイトル刊行記念の「ggg25周年記念展」
のオープニングです。

 100gggBOOKS
 100Graphic Designers


 横文字だけの催事タイトルはスッキリしていますが、私の頭の中では
「ggg25周年」の方がずっしりと重く響いてくるようです。
  「あれからもう25年か」


 会場入り口に立つと100冊のgggブックスが壁面展示されているのが
目に飛び込んで来ました。
 そして1階と地下の展示会場に企画展出展作品が100点並んでおります。
 
 ひとくちで25年といってしまえば、それまでですが、その間に300回の
企画展を行い100冊のgggブックスを刊行するにはかなりのエネルギーを
要します。社会貢献のひとつとして中断することなく続けて来たDNPに私は
心から敬意を表したい気持ちでいっぱいです。

 銀座にはファインアートの画廊は数えきれないほど存在します。しかし、
内外のグラフィックデザインをこれほど間近かに観られるところはありません。

 25年前、このGGGの設立やgggブックスの発刊計画に携わった1人と
して味わった感慨とちょっぴり感じた誇りが見えない自分の足跡かなと思った
パーティでした。



 

 

 
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