活版印刷紀行

いまはほとんど姿を消した「活版印刷」ゆかりの地をゆっくり探訪したり、印刷がらみの話題を提供します。

文章と「1字下げ」のこと

2011-10-23 15:24:52 | 活版印刷のふるさと紀行
 写真はボンヤリしていますが、尾崎紅葉の『金色夜叉』です。
1字下げはしていません。

 この私のブログの場合、読みやすいようにと1字下げと改行と
なるべく1行あきを多用しております。私流の変則ですが、馴れ
とは恐ろしいもので、ほかの原稿をかいているときに、つい、改行
や段アキが多くなってしまいあわてることがあります。

 数年前、ブログを始めたときは1字下げをしなかったり、ベタ組
で1行の長さももっと長いままでした。今の方が読みやすいと思い
ますがいかがでしょうか。

 さて、1行あきですが、ちょっと古い印刷物をみてみますと、
『徒然草』も『枕草子』もみんな1字下げはしていません。そうか
と思うと、明治33年の教科書『国語読本』が1字下げをしていたり、
昭和8年の『小学国語読本』がしていなかったり、戦後の教科書でも
1字下げしていないのがあります。

 改行や1字下げについての文法はないのでしょう。でも、出版社
で渡してくれる「執筆要項」では1字下げや改行について要望され
ることもあります。

 グラフィックデザイナーやレイアウターのなかには、1字下げを
敵視する人がかなりおられます。「デザイン上、活字の並びに凸凹
をうくりたくない」とおっしゃいます。

 これは、想像ですが1字下げや改行は印刷の組版の上でだんだん
一般化したのではないでしょうか。とくに、CTSやDTPが出て
きてから組版現場でも厳しくなってきたきらいがあります。
 そういえばパソコンだって「インデント機能」がありますね。

 




コメント
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