心にとっても響く作品でした*(音符)*
湖の中から、また一つ、キレイに輝く小石を見つけた気分*(キラキラ)*
今回ご紹介するのは、本屋さんが「一番売りたい本」を選ぶ、本屋大賞第一回受賞作!
小川洋子さんの『博士の愛した数式』です☆
「僕の記憶は80分しかもたない」
交通事故により、新しい記憶を、80分しか憶えていられなくなってしまった初老の元大学教授。
その家に、家政婦としてやってきた「私」は、背広のあちこちにクリップでメモを留めてヒラヒラさせているこの元大学教授の姿に戸惑います。
事故に遭うまでの記憶はあるのに、新しい記憶は80分しかもたない。
だから、一度自己紹介して、自分が新しい家政婦だと説明しても、翌日になると、また「初めて会う人」にリセットされてしまう…
いくらメモに書いて体中に貼り付けても、どんどん忘れていってしまう、自分が生きていた時間。
この元大学教授を、主人公の「私」と、その十歳になる息子の「√(ルート)」は、尊敬の気持ちを込めて”博士”と呼ぶことにします♪
何を喋っていいか混乱した時、博士が決まって持ち出すのが数字☆
「君の靴のサイズは?」「誕生日は?」「生まれた時の体重は?」と、こんな感じ。
誕生日が2月20日だと告げると、「220、実にチャーミングな数字だ」と、真面目に感心し、自分の腕時計に刻まれた「284」という数字を指し示して「さあ、皿なんか洗っている場合じゃない」と、広告の裏にその数字を書き付けます。
この数字についての様々な説明がビックリなんです!
「数字を直感でつかむんだ」
約数とは、余りが出ずに、きれいにその数を割り切れる数字のこと。
例えば、10÷2=5で余りは0だから、2は10の約数ということになります。
220の約数は、1、2、4、5、10、11、20、22、44、55、110で、これを全部足すと答えは=284!
284の約数は、1、2、4、71、142で、これを足すと、答えはなんと=220*(びっくり2)*
「見てご覧、この素晴らしい一続きの数字の連なりを。220の約数の和は284。284の約数の和は220。友愛数だ」
自分以外に、どうということのない誕生日を、博士の腕時計と結びつける不思議な数字の連なり。
友愛数…なんて温かな感じのする数字なんでしょう*(星)*
数学なんて実生活にはほとんど役に立たない。
しかし、だからこそ、それは美しい*(ハート)*
身の回りの草や大地に、ビルや鉄道、飛行機に、惑星の運行に、そして誕生日と腕時計に、ひっそり隠れて、しかし確かに存在し、誰にも見つかることなく、神様の手帳だけに記された数式たち。
80分しか記憶の保てない男。
高校を中退し、息子を産んでシングルマザーになった女性。
遅くまで働く母親の帰りを、アパートで一人待つ、√記号のように平らな頭を持つ少年。
それぞれは、ちっぽけな存在で、世間に対する力など、ほとんどないかも知れない。
だけど、だからこそ、彼らの美しさは、神様の手帳にだけは記されている。
この本は、そんな神様の手帳を、ちょっとのぞき見させてもらう感じ*(ハート3つ)*
どんなに楽しい日々を送っても、どんな重大な事件が起こっても、80分後には無かったことになってしまう博士が悲しい。
だけど、それでも、彼等には変わらないものがあるのです。
どんなに遠く離れてもいても。お互いが結び付けられている、あの、友愛数にように…
数学はニガ手という人、この本を読むと、数学に対する考え方が変わるかも知れませんよ*(音符)*
ぜひ、おすすめの一冊です☆
小川 洋子 著
新潮社
湖の中から、また一つ、キレイに輝く小石を見つけた気分*(キラキラ)*
今回ご紹介するのは、本屋さんが「一番売りたい本」を選ぶ、本屋大賞第一回受賞作!
小川洋子さんの『博士の愛した数式』です☆
「僕の記憶は80分しかもたない」
交通事故により、新しい記憶を、80分しか憶えていられなくなってしまった初老の元大学教授。
その家に、家政婦としてやってきた「私」は、背広のあちこちにクリップでメモを留めてヒラヒラさせているこの元大学教授の姿に戸惑います。
事故に遭うまでの記憶はあるのに、新しい記憶は80分しかもたない。
だから、一度自己紹介して、自分が新しい家政婦だと説明しても、翌日になると、また「初めて会う人」にリセットされてしまう…
いくらメモに書いて体中に貼り付けても、どんどん忘れていってしまう、自分が生きていた時間。
この元大学教授を、主人公の「私」と、その十歳になる息子の「√(ルート)」は、尊敬の気持ちを込めて”博士”と呼ぶことにします♪
何を喋っていいか混乱した時、博士が決まって持ち出すのが数字☆
「君の靴のサイズは?」「誕生日は?」「生まれた時の体重は?」と、こんな感じ。
誕生日が2月20日だと告げると、「220、実にチャーミングな数字だ」と、真面目に感心し、自分の腕時計に刻まれた「284」という数字を指し示して「さあ、皿なんか洗っている場合じゃない」と、広告の裏にその数字を書き付けます。
この数字についての様々な説明がビックリなんです!
「数字を直感でつかむんだ」
約数とは、余りが出ずに、きれいにその数を割り切れる数字のこと。
例えば、10÷2=5で余りは0だから、2は10の約数ということになります。
220の約数は、1、2、4、5、10、11、20、22、44、55、110で、これを全部足すと答えは=284!
284の約数は、1、2、4、71、142で、これを足すと、答えはなんと=220*(びっくり2)*
「見てご覧、この素晴らしい一続きの数字の連なりを。220の約数の和は284。284の約数の和は220。友愛数だ」
自分以外に、どうということのない誕生日を、博士の腕時計と結びつける不思議な数字の連なり。
友愛数…なんて温かな感じのする数字なんでしょう*(星)*
数学なんて実生活にはほとんど役に立たない。
しかし、だからこそ、それは美しい*(ハート)*
身の回りの草や大地に、ビルや鉄道、飛行機に、惑星の運行に、そして誕生日と腕時計に、ひっそり隠れて、しかし確かに存在し、誰にも見つかることなく、神様の手帳だけに記された数式たち。
80分しか記憶の保てない男。
高校を中退し、息子を産んでシングルマザーになった女性。
遅くまで働く母親の帰りを、アパートで一人待つ、√記号のように平らな頭を持つ少年。
それぞれは、ちっぽけな存在で、世間に対する力など、ほとんどないかも知れない。
だけど、だからこそ、彼らの美しさは、神様の手帳にだけは記されている。
この本は、そんな神様の手帳を、ちょっとのぞき見させてもらう感じ*(ハート3つ)*
どんなに楽しい日々を送っても、どんな重大な事件が起こっても、80分後には無かったことになってしまう博士が悲しい。
だけど、それでも、彼等には変わらないものがあるのです。
どんなに遠く離れてもいても。お互いが結び付けられている、あの、友愛数にように…
数学はニガ手という人、この本を読むと、数学に対する考え方が変わるかも知れませんよ*(音符)*
ぜひ、おすすめの一冊です☆
小川 洋子 著
新潮社