私的図書館

本好き人の365日

『アイドロン 秘密の国の入口』

2008-03-14 12:43:00 | 本と日常
「暑さ寒さも彼岸まで」といわれる通り、ずいぶん暖かくなってきました。

セーターを着ていると汗ばむほど。

この時期に買い物に行くと、美味しそうな桜餅と牡丹餅が店頭に並べられていて、ついつい足を止めてしまいます☆

アンコ好きなんですよね♪

最近読んだ本は、

ジェーン・ジョンソンさんの*(キラキラ)*『アイドロン 秘密の国の入口』*(キラキラ)*☆

青い表紙と佐野月美さんの、かわいい絵に惹かれて購入しました。

しゃべる猫と、ドラゴンなんかが出てくるファンタジー♪

この猫がとってもいいんです☆

ちょっと怖い店長のいるペットショップで、モンゴルケンカウオという魚を見た十二歳の少年ベンは、その魚が欲しくて欲しくてたまらなくなります。

この魚は名前の通りケンカするの?

でもいったいどうやって?

そのモンゴルケンカウオを買うために、お父さんの車を洗い、となりの芝刈りをし、とんでもなく嫌だったけれど、妹で赤ちゃんのアリスのおしめもかえ、せっせとおこずかいをためるベン。

姉さんのエリーに見つかったらとられてしまうので、お金はいつもポケットの中。

そしてようやくお金がたまり、親戚のおじさんから(ベンはこのおじさん一家が大嫌い!)お古の水槽もゆずってもらえることになって(そのかわりお父さんがおじさん家の庭仕事をしなくっちゃならない!)、あのちょっと怖い店長のいるペットショップにやってきたベン。

ドキドキしながらモンゴルケンカウオの入った水槽の前に行こうとすると、何かがベンのジャケットを引っ張ります。

そこにいたのはケージに入れられた一匹の黒と茶色のまざった小さな猫。

そして、あろうことか、その猫はベンにこう言うのです。

「おれをつれて帰ってくれ、ジムぼうや」

人間たちの知らないもうひとつの世界「アイドロン」

自称探検家のくせに、方向音痴の猫。
庭の焼却炉のかわりにと売られてきたドラゴン。
水に濡れていないと人間の少女の姿になってしまうアザラシ。
クリケットの試合会場に乱入してきたひたいに角のある馬、ユニコーン。

もうひとつの世界「アイドロン」はある危機に直面しています。

それを救うことができるのは、予言にいわれる三人の子ども達…

『指輪物語』で有名なトールキンに大学時代感銘を受け、自身でも古代語の研究をし(トールキンは古英語、中世英語を専門とする言語学者)、卒業後はトールキン作品の出版社で編集にたずさわったという作者。

この作品の中にも、『ホビットの冒険』とか、「ゴクリ」の人形とかが登場します♪

NHK教育で放送されていたBBC製作のSFドラマ、『ドクター・フー』に出てくる「ダーレク」のおもちゃなんかもベンの部屋にあったりして思わずニンマリ☆(ファンです)

しゃべる動物が登場するということで、映画第二弾が今話題の『ナルニア国物語』を連想される方がいるかも知れませんが、こちらはもっとコミカルで現代風♪

何とか困難を切り抜けて、家族が再会する感動の場面で、手を取り合って喜ぶ両親に対して、「おえっ」「ふたりとも、いちゃいちゃしちゃって…」と子どもたちはいたって普通に子どもらしい反応しますしね♪♪

そして何より、登場する猫たちの描写が楽しいったらありません☆

「本当の名前」も重要な意味を持っていて、このあたりは『ゲド戦記』を彷彿とさせます。

この『アイドロン』シリーズは、全3部作になる予定で、この『秘密の国の入口』はその一作目。

気楽に読むにはピッタリな本なので、続きが楽しみ♪