生まれて初めて佐野洋子さんのエッセイを読みました。
何これ!?
メチャクチャ楽しい♪♪
佐野洋子 著
*(キラキラ)*『役にたたない日々』*(キラキラ)*(朝日文庫)
煙突のようにタバコをスパスパ吸い、だいたいいつも機嫌が悪い。
半分ひきこもりみたいな生活で、韓流ドラマにどっぷりハマり、料理はいつも行き当たりバッタリ。
60歳をすぎた自分にとまどい、同年輩の女性をババアと呼び、痴呆で寝たきりの母親のベットにもぐりこみ、幼くて死んだ兄を思い出し、友達に悪態をつき、自分のガンを受け入れ、意地っ張りで頑固なくせに、韓国のイイ男を見ては涙を流す佐野さん。
このエッセイは2003年から2008年までの5年間に起こった出来事や心境が主に書かれています。
絵本作家、エッセイストとして活躍された佐野さん。
『100万回生きた猫』は私の大好きな絵本なのですが、まさかこんなエッセイを書かれているとは思いもしませんでした。
いい意味で意表を突かれました☆
2つ以上ボタンのある機械は苦手といいつつ、弟がジジイのくせにメールをやっていると知ると子孫(息子さん)に教えてもらい意地でメールを覚えようとします(笑)
「私の時代は終った、そして私も終った」と言い、ATMの前でモタモタして後ろに並んだ若い男にチッと舌打ちされ「あと何年自分でお金が下ろせるだろう」と思ったりしながら、電車の出入り口にたむろする若者を「どいて」と押しのける。
ガンのことを「いい病気」だと受け入れ、人間「生きたら死ぬのだ」と言いながら、台所に同じ機械が2つあるのを見て「ついにボケてしまった」と友達に泣きながら電話する。
大好きな韓流スターの浮気が露見して大騒ぎになったと聞くと「男のオチンチンなんぞ男の自由にしてやれよ」と感想をもらす。
場数を踏んできた経験者にはかないません(笑)
年を取っても前向きでくよくよしない立派な老人について書かれた本を読んで落ち込み、どうして立派な人に私は落ち込むのだろうと憂鬱になる佐野さん。
そのくせ落ち込むのに飽きると我慢していたおしっこをしに行き、あんまりだらだらおしっこが出るので「どのくらい量が出るのかはかってみたい」なんて考えてる佐野さん。
「人と付き合うより自分と折り合う事が一番難しいのだ」
という佐野さんの言葉にグッときてしまいました。
佐野さんの文章を読むうちに、自分の心のどこかにお年寄りのことを「かわいそう」と思っているところがあったんじゃないかと気付かされ、すごく申し訳ない気持ちになりました。
なんて思いあがったことを考えていたんだろう…
「あんたに何がわかるのよ」
「おとといきやがれ」
って人生の先輩に怒られたみたい。
それでも佐野さんの怒りや不機嫌さ、生の人間って気持ち悪いとつい思ってしまうところなど、たくさん共感できる自分もいて、ちょっと安心したりして。
読めてよかった♪
佐野さんが、もう娘とはわからなくなっている母親の寝床にもぐりこみ、つぶやくシーンが心に残りました。
「母さん、私しゃ疲れてしまったよ。母さんも九十年生きたら疲れたよね。天国に行きたいね。一緒に行こうか。どこにあるんだろうね。天国は」
「あら、わりとそのへんにあるらしいわよ」
佐野洋子さんは2010年、72歳で亡くなられました。お母様もその4年前に亡くなられたそうです。
何だか、人間ってこういうことだよね、と考えさせられるエッセイでした。
佐野洋子さん、ありがとう☆
何これ!?
メチャクチャ楽しい♪♪
佐野洋子 著
*(キラキラ)*『役にたたない日々』*(キラキラ)*(朝日文庫)
煙突のようにタバコをスパスパ吸い、だいたいいつも機嫌が悪い。
半分ひきこもりみたいな生活で、韓流ドラマにどっぷりハマり、料理はいつも行き当たりバッタリ。
60歳をすぎた自分にとまどい、同年輩の女性をババアと呼び、痴呆で寝たきりの母親のベットにもぐりこみ、幼くて死んだ兄を思い出し、友達に悪態をつき、自分のガンを受け入れ、意地っ張りで頑固なくせに、韓国のイイ男を見ては涙を流す佐野さん。
このエッセイは2003年から2008年までの5年間に起こった出来事や心境が主に書かれています。
絵本作家、エッセイストとして活躍された佐野さん。
『100万回生きた猫』は私の大好きな絵本なのですが、まさかこんなエッセイを書かれているとは思いもしませんでした。
いい意味で意表を突かれました☆
2つ以上ボタンのある機械は苦手といいつつ、弟がジジイのくせにメールをやっていると知ると子孫(息子さん)に教えてもらい意地でメールを覚えようとします(笑)
「私の時代は終った、そして私も終った」と言い、ATMの前でモタモタして後ろに並んだ若い男にチッと舌打ちされ「あと何年自分でお金が下ろせるだろう」と思ったりしながら、電車の出入り口にたむろする若者を「どいて」と押しのける。
ガンのことを「いい病気」だと受け入れ、人間「生きたら死ぬのだ」と言いながら、台所に同じ機械が2つあるのを見て「ついにボケてしまった」と友達に泣きながら電話する。
大好きな韓流スターの浮気が露見して大騒ぎになったと聞くと「男のオチンチンなんぞ男の自由にしてやれよ」と感想をもらす。
場数を踏んできた経験者にはかないません(笑)
年を取っても前向きでくよくよしない立派な老人について書かれた本を読んで落ち込み、どうして立派な人に私は落ち込むのだろうと憂鬱になる佐野さん。
そのくせ落ち込むのに飽きると我慢していたおしっこをしに行き、あんまりだらだらおしっこが出るので「どのくらい量が出るのかはかってみたい」なんて考えてる佐野さん。
「人と付き合うより自分と折り合う事が一番難しいのだ」
という佐野さんの言葉にグッときてしまいました。
佐野さんの文章を読むうちに、自分の心のどこかにお年寄りのことを「かわいそう」と思っているところがあったんじゃないかと気付かされ、すごく申し訳ない気持ちになりました。
なんて思いあがったことを考えていたんだろう…
「あんたに何がわかるのよ」
「おとといきやがれ」
って人生の先輩に怒られたみたい。
それでも佐野さんの怒りや不機嫌さ、生の人間って気持ち悪いとつい思ってしまうところなど、たくさん共感できる自分もいて、ちょっと安心したりして。
読めてよかった♪
佐野さんが、もう娘とはわからなくなっている母親の寝床にもぐりこみ、つぶやくシーンが心に残りました。
「母さん、私しゃ疲れてしまったよ。母さんも九十年生きたら疲れたよね。天国に行きたいね。一緒に行こうか。どこにあるんだろうね。天国は」
「あら、わりとそのへんにあるらしいわよ」
佐野洋子さんは2010年、72歳で亡くなられました。お母様もその4年前に亡くなられたそうです。
何だか、人間ってこういうことだよね、と考えさせられるエッセイでした。
佐野洋子さん、ありがとう☆