最近読んだ本です。
松田奈緒子さんの、『重版出来!』1巻(小学館)
「重版出来」と書いて、「じゅうはんしゅったい」と読むそうです。
マンガの単行本など、出版物の売れ行きがよくて版を重ねることを重版っていいますよね。
出版社ではこの重版が決まることを、「重版出来」といって喜ぶそうです♪
主人公は大学で柔道一筋に頑張ってきた女子。
就活で選んだ職場は出版社。
運よく(♪)社会人としての一歩を踏み出した彼女は、マンガ雑誌編集部に配属され、個性豊かな編集部員にマンガ家さんに、営業さん、書店員さんと出会いながら、出版の、本を作る仕事にどんどん頑張っていきます!
はっきりいって絵はヘタです(笑)
目の描き方一つにしても統一感がなくて、同じ作品の登場人物とは思えないほど。
でも、それがとっても味がある!
年老いたベテランまんが家。
ネットでの誹謗中傷。
やる気のない営業マン。
出版社の内部事情、本屋さんとの関係、編集部と営業部の闘いとか(笑)、そういった内輪ネタも充分面白いのですが、なんといっても本に携わっている人たちの、「こんないい作品もっとみんなに知って欲しい!!」という情熱が伝わってくるのがイイ!
「雑誌が失(な)くなるってことは多くの人の人生が変わるってことだ。」
作品を描く人。
それを載せる雑誌を作る人。
その雑誌を売り込む人。
そしてその雑誌をお店で売る人。
自分の才能をしぼり出し、徹夜して原稿が出来るのを待ち、靴の底をすり減らして書店を回る。
いい作品が売れるとは限らない。
たくさんの人がつながって、応援してくれる人に喜んでもらえるように、本気で本気で考えて考えて工夫して工夫して、行動する。
どんなに有望な作品でも、出版数が少ないと平台に置けないから棚差し(背表紙しか見えない)になって気付かれることもなく返品されてしまう。
発売日が有名な何万部も売れるタイトルとかぶったりしたら、書店も商売だから大量に売れる作品を優先して、小さな部数の新人の作品は木っ端微塵に吹き飛んでしまう。
何が売れるかなんてわからない。人知をこえた、もうそれは運みたいなものなのかも。
こんな絵なのに(失礼!)、読んでいて何回も感動で涙ぐみました!
本好きの人のみならず、このマンガはきっとたくさんの人が面白いと思うはず!
いいなぁ、こんな仲間に入りたいよ♪
小学館
発売日 : 2013-03-29
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そんな好奇心の持ち主ホークさん、大好きよ。
「言の葉の庭」も「重版出来」も、おもしろそうです。飯田橋ギンレイにはなかなかアニメがかからないので、DVDさがしてみます。
私の本探しにはいろいろ盲点が多いので、ホークさんの鷹の目にたよっています。
私じゃうまく説明できませんが(苦笑)
私も盲点だらけなので、春庭さんの日記でたくさん教わっています。
いろんな視点から見るのって楽しいですね♪
建築や美術も、作品だけじゃなくその作者や時代背景なんかを知ることで見えてくる物があるってすごく刺激的でした。