私的図書館

本好き人の365日

今年もよろしくお願いします

2012-01-02 16:31:00 | 本と日常
明けましておめでとうございます。

今年は天気がよくて過ごしやすいお正月になりました。
私はお節料理を食べたり、お雑煮を食べたりしてゴロゴロしています。

ゴロゴロしながらパラパラ本を読んでいます。
梨木香歩さんの『僕は、僕たちはどう生きるか』(理論社)
村上春樹の『ノルウェイの森』(講談社文庫)
J・アーヴィングの『ホテル・ニューハンプシャー』(新潮文庫)

ちょっとお正月向けじゃないかな?

『ノルウェイの森』の主人公がギリシアの悲劇作家エウリピデスについて語るシーンがあります。
要約すると、エウリピデスの芝居にはたくさんの人物が登場して、それぞれに立場と事情を主張する。誰もが自分なりの幸福を追求していて、それぞれに言い分があって、だから物語はにっちもさっちもいかなくなってしまう。だって全員の正義が正しくて、全員の意見が通るなんてことはありえないから。それで最後に神様が登場して、お前はあっちに行け、お前はあれと一緒になれと采配して、すべてを解決する。

 デウス・エクス・マキナ

エウリピデスの作品はまだ見たことがないけれど、途中までは現実社会にも見ることができますね。
現実の社会でもそれぞれにそれぞれの立場があって、みんな幸せになりたいと思っている。けれど、みんながみんな自分の立場を主張して譲らないから話がまとまらない。結局ごちゃごちゃになってしまい身動きがとれなくなってしまう…しかも現実の社会では整理整頓してくれるはずの神様も現れない。

でも言わなきゃいけないことはやっぱり言わなきゃ…

「…傷ついていないふりをしているのはかっこいいことでも強いことでもないよ。あんたが踏んでんのは私の足で、痛いんだ、早く外してくれ、って言わなきゃ」(梨木香歩著「僕は、僕たちはどう生きるか」より)

ゴロゴロしながら本なんか読んでいると、いろんなことを考えてしまいます。
本人はけっこう楽しいのですが、これもあまりお正月向けではないかも知れませんね(苦笑)

明日は友達と遊んで美味しいものをたくさん食べて来ます。
皆さんもどうかよいお正月をお過ごし下さい!

本年も昨年同様のお付き合いを、どうぞよろしくお願い致します。


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