今日やっとチケットをゲットで
中山忠彦展いってきました。
中山 忠彦氏は日展でいつも拝見させていただいていました。
いつも同じ、美しい女性がモデルで、
ゴウジャスなヨーロッパのアンティックドレスを身にまとい
これまたアンティックの豪華な家具に囲まれ
独特の雰囲気をかもし出す
一筆の乱れもない完璧な写実画
これが私の中山氏の絵に対する認識でした。
戦後60年代位まで抽象画全盛期と言われ、
写実絵画は絶滅しかねないと言われた時期があり、
又1970年代から具象へと流れて返していると言われて久しいのですが、。
現在も私の周りには具象絵画のフアンが多く、中山氏のフアンもおおくいます。
私はどちらかと言えば抽象画のほうが好きで、
特に日本の写実絵画の、
陶器や金属器の質感や光沢の違いや人間の髪の毛しわなど、
一本一本克明に描こうとするなどリアリティーを追求して
あえて醜いものを描き出す近視図的な作品の流れは好きではありません。
しかしもう一方に、
モデルの美と精神性を追求する写実絵画のぬきんでた作品群があり
其の代表が中山氏であると悟ったたわけです。
中山氏の作品の大半は彼の奥様がモデルだったのです。
そして勿論40年近く彼女がモデルですから、実際の彼女とのギャプがでてきます。
彼の制作風景が、映像で流れていました。
モデルに立つ奥様の手を描いてらしゃるのですが、
70才ちかいと思われる手から、ピンクの10代の方のような手が出来上がっていくのです。
そういえば、作品もこうして年代順に並んでいますと、モデルが年を重ね,目の上のふくらみがなくなり、顎が長くなっています。
今まで気がつきませんでした。
それは中山氏のモデルに対する愛情と尊敬のあふれ出た
彼女の内面の美しさを描ききった作品だからだと気がついたのです。
イミテーションの宝石を使って描き後悔したこと、
やっと本物の楽器をてにいれ、描けるとよろこびをかたってる
本物のアンティクな家具衣装
そういう細部にいたるまでの彼のこだわり、
それは彼の美の表現に対する厳しさであったときがつきました。
永遠の女神像は、彼の心の中のイマージュのほとばしりだったのですね。
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表面的なゴージャス感と美しさだけでなく、
内的な美しさを感じる作品展でした。