信州スロウライフ12ヵ月

野菜や草花と暮らす生活

手紙を書くについて

2012年02月25日 23時03分59秒 | Weblog
2月はじめに親しい人が亡くなった。
3年前から病気の治療をしていたが2度の手術とその後の薬物のきつい治療に耐えて
治ってみせると期待していた。

私が都会から山梨へ移住しようと誘ってくださったし一緒に土地も探してくれた。
子供たちと一緒に何度も泊まってご馳走になった。
芸術家なので山野草を描き、退職後は理想的な生活を送っていた。

亡くなる2週間前に息子と一緒に東京のお家にお見舞いに行った。
お知らせを聞き呆然とした。
覚悟も出来ておらず言葉が出なかった。
それ以来虚しい日が続く。
手も足も出なくなりお葬儀も亡くなったことを真正面から認めることになるので伺えなかった。

今日、奥様からお手紙が届いた。
私たちがお見舞いに伺ったあとお礼の手紙と称して下書きした文章と
大好きな花のアネモネの絵はがきが
身の回りの整理をしていたら出てきたので送りますと書いてある。
本当に絶筆なったお手紙である。

何度読んでも涙で霞んでしまう。
まさかその後自分でも亡くなるとは夢にも思えない文章であった。

手も足も出ず奥様におくやみの電話も手紙も書けずずっと気になりながらも2週間を過ごした。
今日お手紙を頂いた途端、お返事を書いた。
長い手紙になった。
書き終わり胸のつかえが取れた。
まだまだこれからもあちらの世界に行ってしまったことを認めたくないが
桜が咲いたら大泉で奥様と一緒に待ち望んでいられた花見をしましょうと約束をした。

朝から寒い一日で雪が降り続いている。
手紙を1通書き終わったらその後続いて友人たちにも近況を知らせご無沙汰を解消した。
職場でも家でもPCに向かい、文字を書く機会がなくなった。

学生時代に授業中、隠れて手紙を書いていた時代が愛しく感じる。
マメだと言われるがそれでも不精に成り果てている。
いつもそうだが手紙を書き終わると清々しくなる。
便箋や絵はがきを相手に合わせて選び、切手も選びに選んで投函する。
相当エネルギーを使うから却って好きなのかもしれない。