信州スロウライフ12ヵ月

野菜や草花と暮らす生活

老いては子に従い

2012年07月12日 21時39分34秒 | Weblog
旅行のまとめ

先月スイスへ旅行して、待っている期間と、その旅行を終えて過ぎ去っていく期間が同じになった。
成田を出てから10日間、毎日の経験が身につかないまま頭がボウっとして、また成田へ戻ってきた。
地球の歩き方のガイドブックを買ったが、読む時間がない。
機内で読めるかと思ったが映画を数本観て終わった。

娘と息子が旅行スケジュールを作り、ホテルの予約を取り、観光ルートを作り、それでも間に合わず
出かける日がやってきてしまった。
新郎の両親と新婦の母はおんぶにだっこで結婚式と新婚旅行に乗っかった。
流石に旅の途中で楽しんで、浮かれてばかりいてはいられないと気がついた。

海外旅行は言葉が喋れないから赤ちゃん並みの言語社会で心理的にはとても不安定な毎日だ。
その土地の景色や文化や観光という内容でそのバランスを取り、夜はどっと疲れて眠ってしまう。
今回はこれまでもそうだが娘と息子にドイツ語とフランス語、英語のおかげで旅行ができたし
育てた甲斐があったなどと心の奥深くで感謝した。

これまでもいつも海外旅行をすると色々学習をして自分なりに反省してきた。
なんの能力もない自分。小さい自分。取り柄も力もない自分。
しかしそれでも沢山感じさせられることがあり自分を変える機会になって来た。

今回も同じ。
もしかしたらこれが最後の海外旅行かもしれないと思った。
60の半ばになり体力も知力も減少するばかりで、すべて子供たちに頼る日々となった。
自分で考えることができたのは唯一お土産買いだけだったかもしれない。

美しい景色を見てもっと勉強してくれば良かったかもと思うが、知識だけ取り入れても
実感が湧かず多分頭の中には留まらなかったと思われる。

自分の行く先の老後の日々、子供たちとの距離、自分の使える時間の過ごし方、
娘の嫁ぎ先との付き合い方などが今回の旅行の中で考えたことだ。
これらは毎日の生活の中では考えるには及ばず、距離を離れた場所で客観的なった自分が
深く考えることになったため得たものだ。
フランクフルトの姪の生活を見てこれらもまた色々教えられた。
ああしたい、こうしたいというものがよく見えてきた。
子供達は随分と疲れたことであろうが、母は御蔭で学ばされたことが沢山あった。

老いては子に従い…何と的を得たことわざであろう。
今でも時々ふっと思い出す景色がある。
そして心がそのためにとても穏やかになる。
思い出とはそういうものなのであろう。