信州スロウライフ12ヵ月

野菜や草花と暮らす生活

恐るべき老人パワー仕事集団

2014年08月22日 20時46分29秒 | Weblog
お盆が終わり、雨の日が多かったが、涼しくて久しぶりにぐっすり眠れたと客人たちは
喜んでくれた。
ムスコは一人残り、朝早く木曽駒ケ岳に登り運良く雨から雨上がりで日に焼けて帰ってきた。

月曜日に客が帰った後の掃除を済ませ翌日から地元のキャベツの収穫の仕事をする。
前回の7月のメンバーでの家の近くの畑だが、朝の8時から3日間の仕事になった。

今回は毎日更新する猛暑の最中であり日よけもないキャベツ畑だ。
10人前後の顔ぶれは70歳が一番若いという男女の中に入り前回の仕事も良く覚え切れないのだが
まずは広い2反5畝もあるという一面キャベツを包丁で切り出し、お昼近くになり、コンテナに
積み込むのだ。

現在葉物野菜は天候不順で高値になっており、信州産のキャベツは今週は4割高になっているという。
1個1.5キロ以下は出荷の対称にならずはねられる。
大体2.5キロから3キロ近くあり1個1個外の皮を数枚バリバリと破り、包丁で根から切り落とし
片手に持って更に虫食いや汚れた葉を数枚破りきれいに整えその繰り返しだ。

1時間も経つと中腰でかがんでの仕事なので、腰を伸ばしてくださいと声がかかる。
目の前には中央アルプスが聳えているので景色は抜群だが、何といっても炎天下の作業なので
30分もすると汗が体中から噴出し、目に入って痛い。
10時になると休憩だ。
冷たいお茶が振舞われ西瓜やトウモロコシがおやつに出てくる。
そして又仕事は再開し、11時になると切り出したキャベツを軽トラに乗ったコンテナに
バケツリレーで畑から積み込む。
皆70代とは思えない3キロ近くあるキャベツを放り投げ、受け取りそのピッチの速さといったら
リズミカルでその輪の中に入ったらそのペースにはまってしまう。
今回もバスケットのパスの練習みたいと言いながら午前の部は終了。
午後は又1時に集合し、最高に暑い時間に続きの畑の残ったキャベツを切り出していく。

コンテナは1台、450キロのキャベツが入るのを満タンに積み込み、積み次第JAの集荷場へ軽トラで
運び込む。

1台450キロ入るコンテナに、16台も1日で収穫した。
何と、6.3トンもあった。
10人で一日6.3トンのキャベツを商品として根から切り落としきれいに整え、更にコンテナに
積み込むまでの重労働を炎天下で3日間でやり遂げてしまった。
コンテナに積む役もいい加減に積めばいいものでなく
、積み方が決まっており、誰もができると言う訳でない。

作業の環境は厳しく、しかも両手を使って加重の負荷も高く、これまでスーパーの野菜売り場で
考えたこともない商品になる過程を産地で経験し、農家の労働のきつさを思いやる。
キャベツは育っていくに従い、重さで右や左に倒れるし、虫食いや腐りもあり
収穫は機械では出来ず手作業だ。

集団に入っての屋外作業はコミュニケーションの場となり、しかも作業内容にとても神経を使う。
たかがキャベツといえず、商品であるので規格品を揃えねばならず、自分の判断で一つ一つ
作り上げていく。
しかもスピードも大事で周囲にあわせ作業を進める。キャベツの葉を剥くのは意外に大変だ。
おお~キャベツの女王様というくらいすばらしい品はそう滅多にない。
3キロは生まれた赤ちゃん一人分。それを片手で持つ。
まさしく筋トレだ。

伊那に引っ越し、すっかり二の腕は筋肉で硬くなり、それに輪をかけて日焼けで黒くなり
逞しくなってしまった。
次は9月の中旬に別の畑で育ったキャベツの出荷作業に借り出される。
知らない土地で目的を持って期限付きの仕事の仲間に入り、達成感を味わい、コミュニケーション
が取れ地元の情報を仕入れる場となり、これはとっても認知症予防には良い機会であると思える。



1週間前の中央アルプス、千畳敷カールの夏山風景