Il film del sogno

現実逃避の夢日記

雨の中の慾情

2024-12-04 21:44:23 | 映画
12/4(水)晴れ
快晴継続して日中は暖かき一日。8:00起床。不燃ゴミ出し、散歩、朝食、清掃。10:00インドアで白球を打つ。12:00近所のシネコンで先週末から公開の日本・台湾合作を鑑賞。場内ヒトケタと興業は苦戦か。原作は1981年に絵コンテのまま発表されたつげ義春の短編漫画。これは未読だがあらすじは調べて鑑賞に臨んだ。結論から記すが大いなる問題作であり快作である。開巻5分の映像コラージュが本作のコアを暗示する。監督は≪岬の兄妹≫≪さがす≫で着目してた片山慎三。原作のあらすじは主人公の見た夢として冒頭で終了。その後の大部分は脚本も担当した監督がイマジネーションを広げて長編化している。舞台は何処でもなく、何時の時代かもわからぬ不思議な世界である。つげのモデルであろう漫画家(成田凌)が体験する【ゆめうつつ】は≪ジェイコブズ・ラダー≫を思わせる。それはまた彼がアシスタントをしていた水木しげるの戦記(玉砕)漫画のイメージにも重なる。≪夏の思いで≫や≪隣の女≫など、つげの短編のエピソードがモザイクの如き織り込まれて鈍い光を放っている。これは映像ならではのハレーション効果だろう。森閑とした田園風景(台湾ロケ?)の朝日・夕陽が悲壮なまでに美しい。主演の成田凌はキャリアベストの好演で、妖艶なミューズ・福子を演じた中村映里子も飛躍の一作となるだろう。時空を越えての不条理な暴力と激しい性交描写は、傷心な主人公の精神世界(迷宮)であろう。創作者が夢想する狂気の暗部と性への渇望が交錯してスパークするのだ。我が嗜好にベストマッチ。文句なし、年度ベストの一本。
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