2016年庵野秀明監督の「シン・ゴジラ」の後、なんで今、山崎貴監督で「ゴジラ-1.0」? シンの後の-1.0だよ。東宝は何を考えているんだろう?
山崎貴としては、「ゴジラ」自体は撮ってみたかっただろうけど。
時代設定は、「シン・ゴジラ」に付いていけなかった多くの世代取り込んだ、戦後すぐ。そして、一応、一般庶民。なので、とっても親しみやすい。
しかも、ゴジラと戦うのが、神木隆之介&吉岡秀隆というヒーロー感まるでなしの2人。
主人公の、CMでは高杉君として無邪気な神木隆之介が、特攻隊の生き残り(まあ、自分で生き残ったんだが)としてのトラウマ。「僕の戦争は終わっていない」と苦しみながらも、機雷除去で生計を建て、小さいながら家も再建。最後は「生きる」と決意。また、元軍人達がもう一度、命を懸けて日本を守るためにゴジラと戦おうと立ちあがる。あ~、日本人ならホロリと来る。
吉岡秀隆もいつの間にか、飄々とした吉岡秀隆しかできない博士になっている。乗ってた船が「新生丸」で良かった。ペア組んでたもう1艇に乗ってたら、あっさり死んでたからなあ。
あと、横須賀の漁師の皆さんもケガもなく助かって良かったわい。
今回の自衛隊は、まだ自衛隊がない時代だし(というか日本の武器も全てアメリカ軍に提出済)、アメリカ軍もソ連との関係を悪化させたくないから協力してくれない。
それでも、ゴジラシリーズの、戦闘シーンの曲は流れる。あの曲を聴くと、ああっ、やっぱり「ゴジラだなあ」と思う。
あの水圧作戦が良かったかどうかは、減圧症経験者の私としては疑問だが。地上で生活している怪獣なら一発で効く作戦だけど。「ゴジラ」って、「ゴリラ」と「クジラ」の混合造語だよね。クジラだと、水深1,000mまで10分で潜ることができるそうだが。普段、水深が深い所に潜んでいるゴジラに効果があるんだろうか。映画では、弱まった所に口から爆弾を突っ込んで、今回はやっつけた事になってるけど。
VFXは地上波見事。銀座も派手に壊す。だけど、海が・・・。あの距離で、あの爆発や衝撃で、なんで波が立たない? 波の描写がなあ・・・。もっと、大きくて水量が多い波が立つはずなんだが。「新生丸」の揺れが少ない。
あと、深海魚。急激に浮かんで、浮袋が口から出てあの造形なんだろうが、そこが分からない。観客に、そこが伝わったのだろうか。最初、提灯アンコウかと思ったもん。
で、ストーリー的にちょっとなあ、と思ったのは、不死身の浜辺美波。完全に乳飲み子をどうやって育てていたんだろう? そして、ゴジラに食われた電車からも生還。さらに、偶然、銀座で神木隆之介再会。そしてさらにさらに「ゴジラによって熱線の着弾地点の国会議事堂を中心に半径6キロメートルが灰塵と化して政治機能が麻痺し、またゴジラの肉片から発する放射能により各地域が汚染され、死傷者数および行方不明者数約3万人に破壊された家屋が2万戸以上と、ゴジラによって東京は壊滅的な被害」を受けたのに・・・。涙のハッピーエンドなんだけど、不死身過ぎるよなあ。真のゴジラかもしれない。
安藤サクラは小さな声でボソボソしゃべっても、ちゃんと何を言ってるか分かる。流石だ。
※コメント投稿者のブログIDはブログ作成者のみに通知されます