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2022.3.20 『鳩ノ巣山』(622m)  南西尾根を快適に登る

 土曜日にHiromiと栗山町の『坊主山』に登った際、

ピークから夕張の山々を眺め、

久しぶりに『鳩ノ巣山』に登りたくなった。

天気予報もパッとしないので、

ちょうどよい機会だ。

 日曜の朝夕張に向かったのだが、

この日は前日に続き、

Hiromiが「母さん孝行の日」と決めていたので、

休日には珍しく単独となった。

 『鳩ノ巣山』は夕張市の北寄りに位置する山。

夏道はなく積雪期に登るのだが、

夕張市の市街地に隣接しているので、

ルートは色々考えられる。

実際に私も3ルートから登っている。

その中で最短ルートを狙うなら、

夕張市役所そばから取り付くのがいい。

ただ、その辺りはルートが短すぎて、

本当にすぐ登れてしまう。

それで今回は尾根歩きを楽しめるルートとした。

 8時35分、旧「夕張北高校」の校舎の裏側をスタート。

この裏の狭い市道脇に、

毎冬タイヤショベルで雪を押して空けたスペースがある。

すぐ目の前の斜面に入って行くのだが、

ここはかつて小さなスキー場だった。

もう何十年も前のことだが、

ロープ塔が設置されており、

プレハブの休憩施設もあった。

夕張市が炭都として栄し頃の話しだ。

年々スキー場の名残が消えつつあるが、

いまだ雪に押しつぶされたプレハブハウスが残っている。

 旧スキー場の上空を、

トビの群れが旋回していた。

いったい何を求めての行動だろう?

 斜面を登って尾根の頭に上がると、

夕張市鹿ノ谷地区の景色が見渡せる。

そしてここから尾根歩きが始まる。

この尾根は『鳩ノ巣山』より、

おおよそ南西方向に伸びている。

はじめは平坦な尾根も、

すぐ先で急登が待っている。

しかしもうかなり雪が締まって、

スノーシューのアイゼンがよく効く。

登りきるとアップダウンが始まる。

この後は木の間越しではあるが、

右手に「レースイスキー場」、

左手に空知平野の風景を眺めながらの登行だ。

そしていくつかのアップダウンを越えていくと、

それまではカラマツと広葉樹の、

混交林だった周囲の林が、

突然トドマツの林に変わる。

長くは続かないが、

このカラマツの幹には、

ヒグマの爪痕が数多く残されている。

活動が活発な区域らしい。

思えば昨秋ハンターがヒグマに殺害されたのは、

このすぐ下に見えている富野地区だった。

 トドマツの林を過ぎると、

間もなくまた急登となり、

その登路で突然樹木が切れて、

前方に純白の大斜面が広がる。

新雪をまとった斜面は真っ白に輝いている。

途中で浅いクレバスを渡り、

一歩一歩登って行く。

すると背後に夕張市の風景が広がって行く。

すごい高度感だ。

そして南には「レースイスキー場」の全景が見渡せる。

この冬は3シーズンぶりに営業を再開したスキー場だが、

もう3月も下旬となると、

ゲレンデに人の姿は少ない。

 高度感のある風景を楽しんだ後は、

三角点のあるピークを目指して、

更に奥に進んで行く。

南北に長い頂稜をもつこの山は、

登りきってしまうと平坦で、

どこがピークで、

どこに三角点があるのか、

GPSがなければ特定できない。

 10時15分、『鳩ノ巣山』(四等三角点:鳩の巣山)

以前は何もなかったこのピークのそばの木に、

ピンテが数本つけられていた。

ヤマッパーだろうな。

ヤマッパーは一人登ると、

その軌跡を自らのスマホに移し込み、

次から次へとどんどん登る。

危険な所業だ。

この日は誰にも出会わなかったことが幸いだった。

夕張の山は静かなままであってほしい。

 スキー場を見渡せる位置まで戻って、

早めの昼食とした。

そして下山は登路のルートをそのまま下る。

雪が締まっているので、

傾斜のある所は滑って下りられる。

雪が腐った部分はほんの一部だった。

そして11時45分、駐車地。

三連休は大荒れだと言われていたが、

これで2日間は荒れるどころか、

誠に穏やかな山歩きを楽しめた。

感謝・・・

 

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