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2022.3.21 『真谷地』(まやち・754m)  まさか吹雪とは・・・

  ニ等三角点「真谷地」。

それは人がもう数人しか暮らしていない、

夕張市真谷地地区の東に位置し、

周囲に700m前後の山並みが広がっているため、

麓からはその姿を目にすることができない。

しかし周辺の高みに登ると、

山並みの中で頭一つ出た、

端正な「真谷地」を確認することができる。

写真は先日登った「登川峠」(573m)と、

「本流越」(874m)から見た「真谷地」だ。

 この山への積雪期ルートは、

大きく分けて真谷地側と登川側の二つが考えられる。

私はこれまでに3度この山に登ったが、

いずれも登川から同ルートで登った。

それで今回は同じく登川でも、

別ルートを登ることにしていた。

しかし結局これまでと同じルートを往復した。

と言うのも、懸案を乗り越えられなかったから。

登川から「ホロカクルキ川」に沿って伸びる林道がある。

これを国道から2kmほど入ると、

「真谷地」に直接続く尾根に取り付ける。

今回はこれを利用しようと思っていた。

しかしそこまで入るためには、

「猫屋敷」の前を通らなければならない。

この「猫屋敷」の前には、

放し飼いにされた10匹以上の猫が、

いつもウヨウヨしている。

家の前にそれだけいるのだから、

中にも相当数がいるものと思われる。

私は犬猫のたぐいが苦手で、

どうしてもそこに足が向かない。

いい歳して情けないが、

これも性分なのでしかたがない。

 前置きが長くなってしまったが、

と言うわけで登りなれたルートに向かって、

月曜の朝7時30分、

Hiromiと登川の「ホロカクルキ川」に架かる、

「大黒橋」手前の駐車地をスタートした。

この橋は古く昭和35年竣工だそうだ。

Hiromiなんかまだまだ生まれる前だ。

 「大黒橋」を渡ると間もなく、

目の前の尾根に取り付く。

いきなりの急登で心臓に負担がかかる。

それを過ぎると作業道が現れ、

しばらくは作業道を歩く。

そして作業道が切れると尾根歩きだ。

尾根は複雑に絡み合うが、

忠実に主尾根を辿って行く。

最初は曇り空だったのに、

いくらも進まないうちに雪が降り出した。

事前に調べた予報では、

夕張はこの日降雪なしだったのに。

いやな雪が身体を濡らす。

そしてCo.600付近を歩いている時だった。

前を歩いていた私がふいに落ちた!

穴だ。

クレバスができる位置ではないので、

ヒグマの穴にでも落ちたのでは?

と思い、急いで中を探った。

結果問題はなかったが、

いったいどうしてできた穴だろう。

ふいに落下したため、

腰を痛めるところだった。

 広い尾根はやがて狭くなり、

雪庇が発達していたり、

既に雪崩となって落ちたところも出てきた。

クレバスにはまらぬよう、

慎重に歩を出していく。

そしてスノーシューではとても登れない急登となり、

背負ってツボ足で登る場面も。

先日「本流越」の急斜面で、

スノーシューを流してしまったHiromiも、

今回は慎重だ。

 尾根はCo.670で突然前方が開け、

純白の大地が現れる。

しかしこの頃になると吹雪きだして、

前方は近い距離しか見えない。

Hiromiがどんどん先を行く。

そして710で明瞭なピークに立つと、

眼前に「真谷地」の頂上部が姿を見せる。

晴れていたなら美しい眺めなのだが・・・

吹雪の中を前進する。

一旦40mほどを下り、

急斜面を70mほど登り返す。

この登りがまたきつい。

モナカ雪の上にサラサラの新雪が積もり、

一歩一歩がズルズルと滑り、

グサグサと崩れる。

そんな状況でもHiromiはガシガシ登るが、

私なんかもう「ハーハー」、「ゼ~ゼ~」

やっとの思いで登り切り、

10時40分、ニ等三角点「真谷地」

 

なんか今までで一番きつかったわぁ~

これも歳のせいかねえ・・・

 下山は登路のルートをそのまま辿る。

別ルートとなると、

例の「猫屋敷」の奥に下りるか、

途中で切れて「滝沢川」に吸い込まれる尾根しかない。

この「滝沢川」を下ったこともあるが、

今年は雪が多いので雪崩の危険が高い。

 途中で簡単な昼食を摂り、

尾根筋を淡々と下って行く。

ただ「下って行く」と言っても、

登り返しも多く、

登っているのだか下っているのだか、

妙な疑問が湧いてくる。

それでも高度は確実に下がって行き、

もう麓が近くなったころになって、

ようやく雪が上がった。

常に予報を見て雪を避けて歩いている我々にとって、

この日は今シーズン最も悪い天候の中での山行となってしまった。

 13時30分、駐車地。

私は吹雪に見舞われて、

風景を思うように楽しめず、

どうにも消化不良のような感覚が残ってしまった。

しかしHiromiは天候不良なぞ眼中になく、

ただ「楽しかったなあ!

今日もありがとうございました!」

それはそれはようございました。

 この後一旦帰宅し、

夕方改めて反省会!

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