勉強してテストの点を取るというのは、一面で「要領」という意味もあります。
要領と言うと、何だかうまく立ち回るというような姑息な響きを感じないでもない
ですが、そこまで極端な話ではなく、科目ごと、単元ごとにやるべきことにどう優
先順位をつけてこれに取り組むのかという、至極当たり前の話です。
とは言っても、たったこれだけのことがなかなか上手く出来ないのだといって困る
生徒もいます。
学習塾に限らず、大人たちが子どもに向かって「何でこんなことが分からないの?」
というのがタブーであるのは言うまでもなく、ですからこの場合でも、ACSアカデミ
ーでは、生徒のレベルに立って分かり易くこれを並べて見せて、そしてそこでは勿論
解説と指導を加えながら講師が一緒にこれを実行していく事にしています。
今日は、そういう中で時として陥りがちな間違いについて少し触れておきます。
今は、それぞれの学校でかなり詳しいテスト範囲表を事前に学校が配布して、時には
模擬問題などを配ってくれる「親切な」(皮肉です、念のため)先生もいます。
私が個人的に記憶しているだけでも、この10年間に何名かが、その模擬問題を忠実
になぞることで自己満足に浸ってしまい、その結果、その模擬問題の配列どおりに問
題と回答を暗記して、それをテスト対策と思い込んでいるという例がありました。
勿論、模擬問題はあくまで模擬問題であって、それがそのままの形で実際のテストに
出題されるはずも無く、この場合、そう思い込んでしまう方に問題があります。
そして、結論から言えば、その生徒は当然の如くテストで失敗しました。
テスト対策授業を指導している講師の目からは、それが全く的外れな勉強の仕方であ
るとすぐに分かりますので、当然その場でそれを指摘し、正しい勉強法に矯正させる
のですが、どうしたことか、その生徒にとっては、模擬問題を暗記することが即ちテ
スト対策であると頭から信じ込んでしまっており、もう何をどういってもその誤りか
ら抜け出せません。
酷くなると、注意指導されたその時でさえ、あからさまに不満げな顔を見せることさえ
ありました。
これなど、典型的な要領の悪さですよね。
どう悪いのかを整理してみます。
■テスト勉強は、平素の授業とは性質が異なるのだと認識できない要領(の悪さ)。
■誤りを誤りと認識できない要領(の悪さ)。
■テスト範囲表や模擬問題などのテスト対策ツールを正しく使いこなせない要領(の
悪さ)。
■誤りを自覚して次回にこの教訓を活かせない要領(の悪さ)。
といったところでしょうか。
もしも、今回のテストに臨む生徒の中にこうした傾向を感じさせる何かがあったなら、
なるべく早くそれを「正しい要領」に戻す、或いは引き上げなくてはなりません。
あなたはどうですか?