最近、改めて個別指導・個別授業の良さを実感しています。
個別と銘打ちながら実は個別でもなんでもない、ただの巡回式授業であったり、或いは個別の要素なんか何もない小集団授業であったりも決して珍しくない昨今の個別指導塾ですが、そこにはやはり厳然とした違いがあります。
誤解をして頂きたくないのは、そうした巡回や小集団の授業も、そこにはしっかりとした長所・利点があって、学習効果を上げることにおいては各自懸命に頑張っているのだということです。
でも、そういうこととは別に、やはり生徒も前に講師が一人ピッタリと張り付いて授業をするということの利点は「個別ならでは」のモノがあると思います。
そこには、授業で使う1分ずつの中身の濃さの違いがあります。
私自身、このところ家庭教師でこれを行っていて、問題ごとの生徒の表情やペンの運びなどから、手に取るようにその子の得手不得手、学校での授業の様子、普段の家庭学習の有無やその様子がまさにリアルタイムで理解でき、これに応じて今目の前で行っている授業の進度や手法の微調整が可能になります。
完全な個別授業は、例えば1対2や小集団の授業に比べれば感覚的に割高に感じることがあるかもしれませんが、こうしたメリットを思えば、決して割高でもないと今は思います。
毎年のことですが、1月~4月は新規入会についてのお問い合わせが多くなります。
その際感じること。
学習塾は、その数だけ特徴の違いがあります。
個別なのか巡回なのか集団なのか。
一回の授業時間は何分なのか。
補習メインなのか進学塾なのか。
講師の層と質の特徴は。
使用教材は? 出版社は?教科書準拠かそうでないか。
季節講習の有無と特徴は?
振替授業の有無は?
その他、あれやこれや。
特徴の違いは千差万別といってもよいくらいです。
それなのに、稀にあることが「いくらですか?」の、たった一言のシンプルと言えばあまりにシンプルな質問。しかも電話で(-。-)。
最近思うのですが、この種の聞かれ方は、私には「犬と猫ではどっちが牛ですか?」みたいな、「は?」と思うしかない類の質問です。
今年新規入会して頂いた方の全てが、しかし幸いなことにこのタイプではなく、いずれも二度三度教室に実際にきて頂き、そこで室内の様子をご自分(生徒&保護者)の目で確認し、お聞きになりたいことの全てを聞き、その上で体験授業などを経て漸く入会に至るという、そんなstepを踏まれました。
学習塾で勉強するということは、どこかのファミレスか何かで一回ハンバーグを食べて「おいしかったね」で終わるようなものではありません。
たった一言「いくらですか?」ですべてを判断しようとされることは、実は極めて怪しい判断基準なんです。
藤沢校の一時的使用不可の状況に対応するための家庭教師ですが、ここ何回か講師たちを派遣し、そして自らもこれの状況と効能を体感するために、ここ何回か生徒宅を訪れて授業をしてみました。
色々感じたことがありますが、最大の効果は、やはり「濃密な学習の実現」、これに尽きます。
生徒たちはこれまで教室で長く授業を受けてきた、いわばACS実習生ですので、ここでの授業の進め方などについてのこれまでの積み重ねがあるという前提が大きいかと思いますが、各自宅での80分~200分の使い方は、実にその中身に濃いものがあります。
昨日もそうでした。
中学3年生の彼女は中1からACSに入会して今に至っておりますが、特定の科目の伸長度合いに比べて、別の科目のそれが少し見劣りする傾向がありました。
その間、講師たちは手を変え品を変え的な工夫で勉強の仕方を組み立て実践してきましたが、それによる伸びにはまだ不満がないではありませんでした。
生徒の学習到達度を直接図る学校のテストはまだですので軽々には言い切れませんが、しかしここ数回の家庭教師授業で感じたのは、その科目について、着実に理解度と(問題に対する)対応力が上がっている、ということです。
これは正直な感覚で、すべての子にこれが当てはまるかどうかは別の話ではありますが、しかし生徒の中には、この方式による授業が確実な学力増進になって表れるということが、少なくとも一定数存在するということの発見は、雨降って地固まるではないですが、一時的な教室不使用の結果もたらされる効果としては十分過ぎるプラスであると、昨夜の生徒宅からの帰りの車中でしみじみ実感しました。