しっかりとやるべきことをやってきた生徒は、現在の単元はもとより、今後の単元までを先取りした授業を次々展開していますが、一方、「えっ?」と思うような誤り、或いは知識不足を露呈して、さてどうしたものかと一瞬考えてしまうような生徒も稀にいます。
たとえば、中学生になって分数の割算ができなかったり(足し算引き算もできないことすらあります)、マトモに感じの読み書きができない例などは、非常に危機感を募らせることになるばかりか、これらを取り戻すために一体どれだけの時間と費用が必要なのかといったことまで考えてしまいます。
繰り返しますが、そういう生徒はごく稀ではあり、圧倒的大多数はしっかりと今の単元を学習し、その中の半数は先の単元をも塾で学習しています。
私(責任者)としては、そういう多数派の力を伸ばしていくことを考えるのは勿論ですが、言葉は悪いですが、落ちこぼれ予備軍ともいうべき層を如何に引き上げていくかの方にも応分の責任を負っています。
学習塾の中には、生徒を入会させるに当たって、入り口のところで試験を施すところが少なくありません。
それはそれで、その塾のレベルをいて地に保つという点で意味のあることだと思いますが、私たちの教室では、今のところはそういうやり方をしてはいません。
「今のところ」というのは、正直なところ、目下検討中ということであって、将来の可能性をここで否定するものではないという程度のものです。
今のところ、そうした施策を採用しないのは、これまでそういう子たちを何人も見てきた経験から、彼らの中には、こちらが情熱を込めて接していくことで結果(学習効果)が出てくるという実際の例が決して少なくなかったことによります。
途中途中では、へこたれそうになったり、凹んだりすることは何度もありましたが、それでもそこで辞めない限り、ほぼ全員が何がしかの成果を出してきました。
成果を出せなかったのは、今書いたように、生徒が途中で努力することを止めてしまったり、生徒の方で将来を諦めてしまった場合です。
それはそれで大変勿体無い話ではあり、いかんともし難いのですが、やめない限り、諦めない限り、可能性は必ず残るものだということを信じて、私たちは今後も入り口で生徒を選別することはしないつもりです。