黎里古鎮は蘇州の南、呉江にある水郷古鎮です。
今のところまだあまり観光地化されていないので人もそう多くはありません。
一部有料の庭園や施設がありますが、
古鎮に入って散策や買い物、食事をするだけなら入園料も必要ありません。
写真は全て去年訪れた時のものです。
2022年5月連休時点では新型コロナ対策で蘇州の観光地、園林などは全て閉鎖されていましたが、
おそらく今はもう入ることができるのではないかと思います。
黎里古鎮は江蘇省と浙江省の省境に近い場所にあります。
現在の行政区画では江蘇省蘇州市呉江区ですが、大昔の春秋時代に呉と越はこの地域の覇権を争っており、
その頃は越の支配下にある現在の浙江省嘉興市に属していたそうです。
このような歴史が関係していると思いますが一般的な蘇州の水郷古鎮には見かけない、
廊棚と呼ばれる屋根に覆われた長い通りが川沿いに続きます。
廊棚と言えば、思い浮かぶのは浙江省嘉興市にある世界的に有名な西塘古鎮。
西塘古鎮の廊棚は多くの観光客で賑わっていますが、黎里はとてもとても静かです。
ちなみに呉越同舟という言葉に使われる呉越の意味はとても仲が悪いこと、
覇権争いを繰り広げる呉と越はとても仲が悪かったことに由来しています。
黎里には12の古橋があります。
青龍橋、迎祥橋、道南橋、梯雲橋、進登橋、清風橋、望恩橋、秋禊橋の8つの橋は、
明、清代に架けられた後、修理をしながらそのまま使い続けられています。
また弄堂と呼ばれる住居と住居の間に造られた細い路地があちこちにあります。
一般的に弄堂は集合住宅の中の路地のことを指しますが、大金持ちは自宅敷地内に個人の弄堂を持ってました。
黎里に現存する半数はそのような個人名が付いた弄堂なのだそうです。
瑞本園や中国錫器博物館など有料の施設や庭園へ入るには、黎里古鎮展示中心でチケットを購入するようです。
休閑カードがあれば入園料は不要ですがチケット(手書きの紙切れでしたけど)を受け取る必要があります。
黎里古鎮展示中心は博物館と大きな庭園になっており、黎里についての解説や展示がされているので、
歴史や文化を知りたい方なら、ここには行ってみる価値があると思います。
あくまで個人的な感想ですがその他の施設や庭園には行かなくてもいいかもです。
黎里の北には周庄と同里、南には西塘と周辺には有名で規模の大きな水郷古鎮があるので、
ここに遊びに来るような人は、もう有名な水郷古鎮には行ったことがあるとか、
人が少なくて静かな場所を求めて来ているのかなぁという気がします。
飲食店や土産物屋さんが多く並んでいるのは古鎮の東側です。
揚げパンの中にひき肉や甘い餡子が入っている感じの油墩、虎豆、豆味噌の黄豆醤、中華ソーセージ、小ワンタン、
高粱や米、麦、粟、トウモロコシなどを原料にした飴糖、ピリ辛の鶏の足などが黎里の名物らしいです。
観光客が少なくて水郷巡りの観光船も暇そうでした。
私は静かな方が好きなので、このような水郷古鎮がお気に入りです。
古鎮の外に出てみると北側が人が多く暮らす黎里の町(村)になっている感じでした。
こちらものどかな田舎町の雰囲気です。
古鎮近くの浒泾南路と兴黎路の交差点にある、黒珍珠という看板がかかっている喫茶店は、
コーヒーが飲めて食事もできるので休憩するのにちょうど良い感じのお店でした。
(2階席もありますが1階の方が明るくてお薦め)
ただし定食っぽいものは店の雰囲気とは相反して工場飯のような金属プレートで出てきますけどね。
蘇州市内から黎里古鎮へは地下鉄4号線の終点、同里駅で呉江黎里専線というバスに乗り換えて、
黎里旅游集散中心下車です。(バスは黎里まで直通で途中止まらないので安心です)
黎里旅游集散中心は黎里古鎮の東側にあります。
前回は車で行きましたが、次はのんびりとバス旅で行ってみたいと思っています。