東北アルパインスキー日誌 ブログ

東北南部の山での山スキー、山歩き、山釣りなどと共に、田舎暮らしなどの話を交えながら綴っています。

地方山スキーヤーのたしなみ

2007年02月21日 | 山スキー

近は天候のタイミングに恵まれず、途中下車の様な中途半端な山行が続いています。やる気はあるが天候が1日ずれてしまうというケースで、週一のサンデースキーヤーに取っての打撃は大きい。こういう時ほど時間の取れる自営業者の方とか、有給休暇・代休とり放題の方とか、自由業的な立場の方ほど羨ましく思う時もない。まあ、あまり時間的な余裕が無い事を嘆いてみてもしようがないが・・・。

しかし、日頃あまりまじめに考えたことは無いが、最近、地方の山スキーヤーで本当に良かったと感じる事が有る。何がそんなに嬉しいかと言うと、未だに東北のエリアについては、意外と知られていない未知の領域が残っているという事だ。この未知の領域というのはかなり個人的で主観的なものだが、少なくても自分にとっては東北はまだまだ手垢の付かない、知られざる世界が有るように見えてくる。この辺はその人の山行スタイル、山に対する価値観、所属する団体、経験などによって考え方も様々だ。他の人にとってはまったく関心が無かったり、一般的にはどうでも良い様な事も有るだろう。その為場合によっては気の進まない仲間に無理を強いたり、相方にとって価値が無かったりするケースもたまに有る。

東北で未知のエリア?
それはやたらとアプローチが遠く難儀な所でしょう。例えば林道の長いラッセルを往復覚悟する。山頂の標高は低いが登山口の標高が低く、主稜線までの高度差がやたらと大きい。天候が荒れると未だに一晩で積雪1m近い降雪に見舞われ、退却さえ困難な場面も有りうる。当然の事だがだがそんな所にリフトなど無く、また他人のラッセルなどまったく当てに出来ない。主稜線の避難小屋は最近整備されているとはいえ、冬季となると到達さえ困難な所に位置しているetc。つまり東北は国内の冬季登山の中でもいわゆる3K的な要素を多く含んだエリアで、この様な所が未知の世界に該当すると思われます。従ってその様なコースなら訪れる物好きも少なく、年にほんの数パティーまたはまったく人を寄せ付けない存在となる。

だが、見方さえ変えれば解決方法は有るもので、山スキーの場合は機動力を生かし、短期・速攻的な方法でチャンスを窺がう事は出来る。天候、高度差、水平距離、雪の状態、行動時間、登山スタイルなど、難解なパズルを解く様なゲームと考えるとむしろ楽しみが生まれる。山スキーは気まぐれな天候相手の遊びと思っているが、皆さん周知の最も基本的な行動パターンは、一日の行動時間の中でタイムリミットを設けて山頂を目指す事。常に退路を計算して時間を頭の中に入れ、タイミングを誤らない様に判断を下せば大体は帰ってくる事が出来る。

ただしこの場合でもは常に不安定要素が残り、誰にでも無理はお勧めという訳には行かない。経験・時術・体力などにもよると思いますが、天候判断の遅れまたは急変、コース取りまたは退却路の誤り、突発的な事故・トラブルなどで予定通り進まないケースも良くある。つまりガイドブックなど無く、全て自身のプランニング、その場での対応能力、技術、体力など、経験に依存する要素が色濃いという事です。

いい加減に年齢を重ねてくると全てが億劫になってくるが、一旦その気になった本人にとってはいたって真面目で、そこに希望の一角が見えてくると気持ちは次第に高まり、必ず実現したくなる自分に気が付く。幸い似たような志向を持った仲間がいれば声を掛け、運良く共に成功できればその充実感はまた大きい。しかし仲間にも好み・志向が違いまったく相手にされない時もあり、その時は自分のペースで早朝の出発を覚悟して一人で実行に移す。

何時までのようなモチベーションが続くかは疑問だし、何時目標を失ってトーンダウンするか解らないが、さしあたり何時でも出動可能な幸せな境遇こそ、その瞬間どっぷりと山の世界に浸りたいと思っている。少なくてもここ東北では自己満足を実現出来る、未知の要素が残された日本では数少ないエリアと思っています。


コメント (2)
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