先週の三体山は三体沢右岸の尾根を辿って山頂にたどり着いたが、その先に見える合地峰はかなり先のように思えた。しかし、三体山から連なる稜線はさほど高低差もなく快適に思え、好天に恵まれた今日であれば往復は可能に思えた。
長井ダムに到着すると先週のトレースは残っており、今日は貸し切り状態で静かな雰囲気。スタートすると先週と違って斜面の雪崩の跡が残り、標高の低いこの界隈では急激に雪解けが進んで景色が変わっていた。不抜の森を下って濁川のスノーブリッチを通過し、台地状になった杉の複合林を経由して先週と同じ尾根に取り付く。
左手に煮える桂沢の渓は広く雄大な様子で、下降ルートとしては中々興味深いコースに見える。登り続けると尾根の上部では斜面がやや硬くなるが、スキーアイゼン無しでも快適に登れるのでスピードも上がる。
稜線にたどり着くと西面の視界が広がり、先週と同様な見事なパノラマが広がってしばらく景観に見とれる。稜線は広くなだらかに快適に三体山へと導かれやがて山頂に到着。ここは小休止でさらに合地峰を目指して先を進むと、西面の雄大な山並みと美しい斜面が目に入り、冬はおそらく殆ど人の入らぬ未知の世界と思われる。
余りアップダウンのない稜線を進んで行くとどんどん合地峰は近づき、三体山からは50分ほどで合地峰に達する。山頂には三角点があり、その先の稜線は一度かなり高度を落としてからはるか先の柴倉山へと続いている。
山頂では小休止したのみで三体山に引き返し、今日の次の目標である三体沢右岸の斜面の下降点を探して降りて行く。小ピークで滑降の体制を整えて斜面に飛び込むと、やや硬い斜面ながら表面はややザラメ化して板は行く走り、広い急斜面をショートターンで刻んで降りて行く。
適度な斜度のフラットバーンは実に快適で、広く明るい斜面をどんどん降りて行く。次第に狭くなった沢筋になると標高615m程でトラバースポイントに達する。桂沢との出会いを通過して右岸をトラバースして降りて行き、30m程やや上り返すと台地上の林に出る。
後は緩斜面を降りて行くとやがて渡渉点に戻り、15分ほどの登り返しを経て後は長井ダムまで流して降りるだけだ。実に静かな1日で自分でも納得の山行だった。