東北アルパインスキー日誌 ブログ

東北南部の山での山スキー、山歩き、山釣りなどと共に、田舎暮らしなどの話を交えながら綴っています。

新版 日本の岩場 上  黒伏山南壁 2014.04.17

2015年04月20日 | クライミング
本日、「新版 日本の岩場 上」がこの本の編著者のK氏から送られてきた。この中に黒伏山南壁の解説があるが、その中の一部は拙HPの「黒伏山南壁の履歴書」から引用したとの事前のメッセージが届いていた。

ルート解説には中央ルンゼルート、天の川ルート、三十路ルート、象の鼻カンテの4本が載っており、その他に14本のルート名と初登攀者名が有った。その中に1977年6月に自分で開拓したダイレクトルートの名が有り、冬季初登したメンバーの中に自分の名前も載っていて嬉しい気分。

随分昔の話で恐縮ですが、その当時はアルパインクライマーを目指しいた田舎者のクライマーだが、当時誰もトレースしていなかった赤い大ハングを中央突破し、中央ルンゼ左の壁の未知の壁を殆どフリーで抜けてピナクルに到るルートを開く事が出来た。

今となっては人工主体の時代遅れの過去の遺物となってしまったが、A2の2.0m以上有る庇状の大ハングと厳しい垂壁の攻略は想い出深く、中央ルンゼと平行する快適なラインをフリーで抜けてピナクルまで至った時の感動は今でも残っている。おそらく、その後トレースされた天の川ルートと一部が重なると思います。当時はクライミングを初めて4年目で23歳の若僧でした。

赤い大ハングは運良く庇のリスに叩き込んだ3本の逆さクロモリハーケンがよく効き、当時はフレンズやカム・コパーヘッドも無かったが、小ハング帯の垂壁をハーケンの重ね打ちとタイオフ・ナッツ・ボルトで越え、ハーケンが抜けて1度だけ落ちたが核心部を突破。風の踊り場から先は中央ルンゼ左のフェースを快適なフリーで超え、後はただ導かれるまま中央ルンゼと並行し上を目指してピナクルに達した。今思えば下部のハング帯は余りセンスのない力任せのルートだったが、上部は弱点をついた面白いフリーのルートだったと勝手に思っています。

しかし、30歳位になってから自分にはクライミングのセンスが無い事を実感し、その後山スキー&沢登りに転向する事になったが、結果的に今では余り言われなくなった「オールラウンド登山」となり、良い経験をさせてもらったと実感。

ただ、この本で残念なのは中央ルンゼの第2登と冬季の初登攀者で開拓功労者の佐々木祐二さんの名前がなかったのが残念。かつての山岳会の師匠でも有り、仕事そっちのけでヒマラヤまで付き合わされ、極道のような世界に引きずり込まれた人。


黒伏山南壁の履歴書
コメント
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